【技術士二次試験】観点を問題文から与えられる場合もあります-2

2024/03/07

観点を問題文から与えられる場合もあります-2

先日、受講者さんから質問を頂きました。
「論理的に解答せよと言われますが、その論理的がいまいち、分かりません。論理的とはどういうことでしょうか?」

なるほど、言われてみると難しいですね。
論理的であることを「論理」という言葉を、使わないで説明してみましょう。

「論理的」とは、一般的に理由や根拠が明確で、結論が合理的に導かれる思考や表現を指します。
これは、複雑な問題を解決したり、他者を説得したりする際に非常に重要なスキルです。エンジニアリングやビジネスの文脈では、論理的なアプローチを用いることで、より効果的に情報を伝達し、目的を達成することが可能になります。


「論理的」な文章の特徴
明確な構造: はじめに問題を提示し、その後で解析や議論を行い、最終的に結論や解決策を提案します。
根拠に基づく説明: 主張や結論は、事実、データ、先行研究などの具体的な根拠に基づいて支えられています。
目的意識: 文書は読み手が理解しやすいように配慮され、目的に直結した情報のみが含まれています。


「論理的」な文章が求められる背景
情報過多の時代: 大量の情報があふれる現代では、重要な情報を効率的に伝え、受け手の理解を深めるために論理的な文章が必要です。
多様な意見との対話: グローバル化が進む中で、異なる背景を持つ人々とのコミュニケーションが増えています。論理的な説明は、共通の理解を構築する基盤となります。
高度な意思決定: 複雑なビジネス環境では、明確な根拠に基づく合理的な意思決定が求められます。論理的な思考は、そのプロセスを支えます。


ロジカルシンキングとロジカルライティング
ロジカルシンキング: 問題を系統的に分析し、合理的な結論を導く思考プロセスです。このプロセスを通じて、問題の本質を理解し、効果的な解決策を見つけることができます。
ロジカルライティング: ロジカルシンキングに基づいて、情報を構造化し、論理的に整理して文書にする技術です。この技術を駆使することで、説得力のある明瞭な文書を作成できます。
エンジニアとして、またビジネスパーソンとして、ロジカルシンキングとロジカルライティングのスキルを磨くことは、自身のアイディアや提案を効果的に伝え、成功につなげるために不可欠です。これらのスキルは、日々の業務やキャリアを通じて積極的に発展させていくことが重要です。


ロジカルシンキングとロジカルライティングをさらに深く理解し、活用するためには、以下のステップを踏むことが重要です。


ステップ1: 問題の明確化

問題や議論の対象を明確に定義します。何について話しているのか、何を解決しようとしているのかをはっきりさせることがスタート地点です。


ステップ2: 情報の収集と整理

問題解決に必要な情報を幅広く収集し、それらを関連性に基づいて整理します。重要な情報とそうでない情報を区別し、優先順位をつけることが重要です。


ステップ3: 仮説の立案

収集した情報を基に、問題の解決策や議論の結論につながる仮説を立てます。この段階では、複数の可能性を検討するオープンマインドが求められます。


ステップ4: 論理的な構造の構築

問題の解決策や議論の結論に至るための論理的な構造を構築します。これには、因果関係、対比、分類などの論理的なフレームワークを用いることが有効です。


ステップ5: 論理的な文章の作成

構築した論理的な構造に基づいて、文章を作成します。序論で問題を提示し、本論で情報と論点を展開し、結論で解決策や結論を明確にします。読み手が理解しやすいように、明瞭で簡潔な表現を心掛けます。


ステップ6: フィードバックの収集と改善

作成した文書を他者に読んでもらい、フィードバックを収集します。客観的な視点からの意見は、論理的な構造や表現の改善に役立ちます。収集したフィードバックを基に文書を見直し、より説得力のある内容に改善します。

ロジカルシンキングとロジカルライティングのスキルは、実践を通じて徐々に磨かれます。
日常の業務やコミュニケーションにおいて、これらのステップを意識して取り組むことで、論理的思考力と表現力を高めることができます。
いかがですか?


No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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