2022/05/12
こんなことも考えてみてください
今回は、雑談ですが、科学的に物事を考える、と言うことについて、書いてみました。
私たち人類は、ウイルスに勝てるのだろうか?
アメリカの人気テレビドラマ『スター・トレック』で実践されていた医療が、かなり進歩したものであったことを、皆さんは覚えていますか? 医者が患者の額に何かを乗せるだけで脳手術がおこなわれ、患者が器具に取りかこまれてベッドに横たわっているだけで、完全な医療診断が下されていました。
しかし、このような高度な医療技術が実現されているにもかかわらず、ふつうの風邪の治療法は発見されていなかったのです。
私たちのからだがウイルスとどう相互作用しあっているかということを学べば学ぶほど、『スター・トレック』の中で私たちが感じる小さな異和感は、驚くほど正確な予言にもなっているように思われます。
ウイルスは、私たちが知っている中で最も複雑な非生物、あるいは最も単純な生物です。どちらを採用するかは、「生物」をどう定義するかによって変わってきます。
ウイルスは、DNA分子、あるいはそれと近親関係にあるRNA分子が、タンパク質の殻の中に封入されたものである。ウイルスの外殻部分は非常に巧妙につくられているため、私たちの細胞は、ウイルスが自分のからだの一部であると勘ちがいしてしまう訳です。
ひとたびウイルスが細胞の中に入り込んで、その生物的な営みの中に組み込まれると、ウイルスは、その殻を脱ぎ捨てます。
次に、ウイルスは、仲間のウイルスをつくり出すために、細胞の化学反応のしくみを乗っ取ってしまいます。
このプロセスは、細胞内にたくわえられていた資源がすべて使い尽くされ、細胞が死んでしまうまで続きます。その一方で、つくり出されたウイルスは、また別の細胞に侵入し続けるのです。
ウイルスと戦うためには、細胞の化学反応のしくみに立ち入って考える必要があり、私たちは今ようやくその方法を学びつつあるのです。
今回のコロナ騒動は、ようやく収まりつつありますが、これは、私たちの体がコロナウイルスに対し、免疫を持ち始めたからです。
実際のところ、ウイルスに対する最高の防御手段は、からだの免疫システムを動員するしかありません。
ウイルスは、生物とは言えないため、抗生物質が効かないからです。