【技術士二次試験】勘違いがおこりやすい「留意点」について再びご説明します

2022/05/19

勘違いがおこりやすい「留意点」について再びご説明します

Ⅱ-2の問題ですが、技術士会の資料によれば
出題内容は

「選択科目」に関係する業務に関し、与えられた条件に合わせて、専門知識や実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき、業務上で留意すべき点や工夫を要する点等についての認識があるかどうかを問う。

とあります。

留意点を書け。
留意事項を挙げよ。
留意点は何か。

設問2ではよく「留意点」を訊かれます。
解答する受験者は、ここで
「留意点とはなんだろう?」と考える訳です。

この「留意点」の「留意」とは注意より一段したの意識レベルです。
夜道に注意、車に「注意」とは言いますが、車に「留意」とは言いません。

今は、問題が無いから対策しないけれど将来問題が発生するかもしれないから心に留めて置くことが「留意点」です。
あるいは、今は潜在的な問題であり、将来顕在化する恐れがある事象と理解して下さい。
そのため、将来に含みを残すような事象を考えて、それを解答に入れると良くなります。

多くの方が陥りやすいのですが、顕在化している問題を挙げてはいけません。
顕在化しているなら対策して下さい。

心に留めておくだけではどうにもなりません。
潜在的で、もしかしたら何も起らないかもしれないから「留意」するのです。

技術士試験での合格を目指している受講者さん自身、毎日、仕事から帰って疲れた体にムチを打って、試験対策の勉強をしていると思います。
それは、試験が迫っているからです。
つまり3ヶ月後に実際の試験があるということが顕在化しています。
だから、疲れていても「やらなきゃ!」と思う訳です。

これが、もし皆さんが大学を出たばかりの23~24歳の青年であれば、10年後技術士試験を受けるつもりでそのことを「留意」する訳です。
今は何もしないけど、技術士を取得するつもりで日々の業務を試験勉強に結びつけようと「留意」するのです。

一方、リスクはどうでしょうか?
リスクは意味として留意点と同じです。
ただし、リスクはリスクマップで表現できるように、確率と影響度を掛け合わせ数値化できるものです。
解答にリスクを記入するときは、その数値がどれくらいなのか考えてみて下さい。
それが明確にならないのであれば、リスクとして何か間違っているかも知れません。

No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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