【技術士二次試験】良い解答の要件とは?

2022/04/14

良い解答の要件とは?

それがどんな論文試験であっても良い答案とは、
「問題の意味を正確に理解して書いている」
「具体的で、抽象論に逃げていない」
「簡潔で話の筋道が通っている」の3点が揃った答案です。

公務員試験でも、司法試験でも、あるいは大学入試の試験でも同じことです。
もちろん、技術士試験でも、その通りです。

ただ、技術士試験の場合、現在は設問形式になっていますから、構成を考える必要はあまりありません。

平成24年までの試験問題は、今のように設問形式になっていない問題がたくさんありました。

例えば河川砂防の問題は平成21年度の問題は、以下のような問題を選択し、どの問題も3枚の解答用紙で解答します。

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【平成21年度技術士二次試験問題 建設部門 「河川、砂防及び海岸・海洋」より】

Bグループ
1-3 河川堤防の特徴及び整備の経緯を踏まえ,また,我が国の自然的・社会的条件に関する最近の議論を考慮しつつ,河川堤防の点検及びモニタリングの必要性と実施すべき内容,結果の活用策について述べよ。また,これらを実施する上での課題とその解決策について幅広く論ぜよ。なお,解答に際しては,土堤を対象にすること。

1-4 近年頻発している局地的豪雨を踏まえ,都市中小河川の特徴,出水の特性を考慮した場合の河川管理上の課題を記述した上で,今後とるべき対策を幅広く論ぜよ

1-5 ダム基礎のグラウチング、について,その目的及び実施箇所に着目し,その特徴を記述せよ。次に,重力式コンクリートダムの基礎において,止水のためのグラワチングを実施する際の留意点について,各グラウチングの改良目標値並びに施工範囲等に着目して記述せよ。
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同じ平成21年でも、電気電子・電力は以下のような問題です。

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【平成21年度技術士二次試験問題 電気電子部門 「発送配変電」より】
Ⅰ-1 次の5設問のうち3設問を選んで解答せよ。(設問ごとに答案用紙を替えて解答設問番号を明記し,それぞれ1枚以内にまとめよ。)

I -1 -1 原子力発電所用タービン発電機と汽力発電所用タービン発電機とで,極数が異なる理由を述べよ。また,設計上及び構造上の相違点を4つ挙げて説明せよ。

1-1-2 直流送電の長所を3つ,短所を3つそれぞれ述べよ。さらに,適用例を3つ挙げ,その採用理由について述べよ。

1-1-3 電力系統におけるループ系統と放射状系統について,送電能力・信頼度及び運用性の観点から比較説明せよ。また,放射状系統の事故時における供給信頼度向上のために,我が国でとられている方法を説明せよ。

1-1-4 単相及び三相の低圧配電方式について,代表的な方式を3種類挙げ,その結線図を示し,特徴を説明せよ。これらは,一線又は中性点が接地されるが,その理由について述べよ。

1-1-5 遮断器の役割と要求性能を説明せよ。さらに, 3kV以上の電力系統に適用される交流遮断器の種類を消弧媒体の観点から3つ挙げ,その特徴及びアークの消弧方法に関して,知るところを述べよ。
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現在のⅡ-1のような問題です。
ただ、現在は4問中1問の解答ですが、平成21年では5問中3問解答です。
また、3枚で解答する問題では

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【平成21年度技術士二次試験問題 電気電子部門 「発送配変電」より】

1-2-1 最近,バイオマス発電が導入されつつあるが,この社会的背景について概要を述べよ。バイオマスエネルギーの転換技術として,直接燃焼方式・熱分解ガス化方式,及びメタン発酵方式があるが,それぞれの概要と導入されている発電方式を説明せよ。
また,バイオマスをエネルギーとして利用するに当たっての課題を3点述べよ。
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上記のような問題が3問出題で、1問に解答します。

部門や科目によっては、設問がしっかりある問題もあります。
これでは、部門や科目によって、難易度が変わってしまうということで、問題文が揃えられました。
平成25年からの問題は、解答の構成を考える必要がありません。
設問通りに答えて行けば良いのです。
その分、高度な内容が要求されるようになったと思います。

ただ、冒頭に戻りますが
「問題の意味を正確に理解して書いている」
「具体的で、抽象論に逃げていない」
「簡潔で話の筋道が通っている」

この3点は、今も昔も変わらず、良い解答の条件です。

No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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