2021/12/09
効果的に勉強したいとは、誰もが考えることです。
同じことを続けるより、違う種類の学習を組み合わせて学習した方が効果は上がると言う研究結果があるようです。
学習計画を立てるときも、同じことを長時間やり続けるのではなく、たとえば「専門用語の基本事項の暗記」と「論文の作成」というふうに、違う種類の学習を組み合わせたほうが効果が上がります。このことはスポーツや音楽の練習でも同じです。
楽器の演奏での練習についてのこんな研究があります。
実験参加者には、8曲を「1曲ずつ何回も練習して確実にマスターしていく」方法、「各曲をバラバラに少しずつ練習する」方法の二つで2日間練習してもらいました。
4名ずつを二つのグループに分けて、合計8名での実験です。
音大の学生を使った実験ですから、それなりの基礎力はあります。
すると、参加者の多くが「1曲ずつ確実」のほうが効果的だと予想していたにも関わらず、2曲目を何回か練習したら、(たとえ2曲目はまだマスターしていなくても)次は8曲めを何回か練習……というふうにバラバラの順番で練習したほうが、より正確に速く弾けるようになったのです。
私は、講座の説明でも、同じ問題を再解答することをあまりお薦めしていません。
私自身も、やりませんでした。
また、どうしても同じ問題を解答するときは、指摘された箇所を修正するのではなく、全く最初から書き直すことをお薦めします。
指摘された箇所を修正するなら、簡単です。
それでは、学習効果がありません。
最終目標は、あなたの解答力を上げることです。
今、解答している問題でA評価を得ることが目標ではないのです。
そして、「テスト効果」を上手に使いましょう。
テストは、一度学習したことを思い出し、使ってみる作業です。
最近の研究では、「テストを受けるだけで学力が上がる」と言われています。
特に暗記物はその通りです。
教科書や参考書をただ読んで覚えるよりも、テストを利用して自分で思い出す努力をするほうが、ずっと効果的なのです。
ですから、総監の択一を勉強する場合は、とにかく過去問題やオリジナル問題を何度も解答しましょう。
しかし、論文試験では、また異なる対策が必要です。
知識の暗記、キーワードの暗記だけでは、良い解答論文を書くことができないからです。
専門知識のインプットが先に行なわれるのは良いと思います。
しかし、インプット・暗記で終っては、何時まで経っても論文を書けません。
まして、試験本番では、時間制限があります。
決められて時間内に解答を完成させなければなりません。
これは、普段から練習していないとできません。
ですから、頭になにか知識を入れたら、すぐにそれを使ってアウトプットして下さい。
それが、練習です。
匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。