【技術士二次試験】口頭試験で問われる能力

2021/08/26

口頭試験で問われる能力

技術士試験は令和元年の試験から、筆記試験の内容と口頭試験の内容が変化しました。
結局の所、問われている本質的な部分は変わらないのですが表面の形式的な部分が変わっているのです。
その口頭試験ですが、質問は以下の3つの言葉が主役です。

  • コミュニケーション
  • マネジメント
  • リーダーシップ

です。

この3つの言葉ですが、わりと曖昧で、色々な意味に使われています。
ただ、それでは試験になりませんから、技術士会では大雑把に定義しています。

マネジメント

  • 業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

要するに求められる要求事項に対し「人員・設備・金銭・情報等の資源を配分」を考えることができる能力です。

コミュニケーション

  • 業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
  • 海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

ここは二つですが、海外での業務がない方は上の一つだけで良いと思います。
要するに「関係者と明確かつ効果的な意思疎通を行う」ことができる能力です。
海外業務がある場合は、上記に加えて、異文化の理解があると言って良いでしょう。言葉の問題だけではないので注意してください。

リーダーシップ

  • 業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
  • 海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。

誤解を招きますが「業務遂行にあたり、明確なデザイン」とは、計画性です。加えて、現場の多様な関係者の利害を考え、纏める能力がリーダーシップです。
これは海外でも同じですね。

簡単に説明しましたが、ビジネス雑誌に書かれている定義と少し違います。
誤解の無いように理解して下さい。

No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。