【技術士二次試験】一般的な事実は間違えないように

2021/06/17

一般的な事実は間違えないように

誤解の多い事実を説明します。
日本経済が飛躍的に成長を遂げた時期は、1954年(昭和29年)12月から1973年11月までの約19年間です。

この経済成長を支え、この時期第一線で仕事をされた方は、団塊世代ではありません。
団塊世代とは、厳密には1947年~1949年に生まれた世代のことです。希に1951年生まれまでを指す場合もあります。
つまり、高度経済成長期には、2歳~26歳ぐらいまでです。
まあ、仕事をしていた人もいるけど、後半だけそれも新人の域を脱していないと思います。
ほとんどは、小学生~大学生と言って良いでしょう。日本の高度経済成長期を支えたのは、団塊世代の親たちです。1954年に30歳なら、1924年生まれ、高度経済成長期の終わり、1973年には49歳です。
ちなみに、学生運動はその中心が団塊世代です。
この手の事実は、間違えないようして下さい。
分かる人には直ぐに気づかれる間違いです。

次に日本の電力消費です。
IoTやDX、5Gなど電気を消費する製品群が目立つので、電力消費は今後も増えると解答に書く方が多いですが、それは根拠がありません。

日本総合研究所は2019年に、「2050年の電力消費は7,268億kWh、2016年比で23.5%減」と1990年代初めを下回る水準まで減少するとの試算結果を発表しています。
発表の中で、人口減少や省エネの進展が電力消費を大きく下押しするなどと予測し、「わが国は『電力需要減少社会』に向かうという大きな転換点を迎えている」と述べています。
恐らく、その通りでしょう。
2019年の消費電力も1990年代後半程度です。
2011年の東日本大震災を思い出して下さい。計画停電と節電で日本中が消費電力を抑制しました。今は、誰もそんなことはしていません、しかし、2019年の消費電力は2011年を下回っています。まさに省エネ技術の進歩です。

No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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