【技術士二次試験】課題の抽出では問題文をなぞらない

2021/05/06

課題の抽出では問題文をなぞらない

Ⅲや必須の設問1では以下のような問いになっています。

R02:機械設計・Ⅲ-1
(1)モビリティサービス向上のための機械製品及びその技術を想定し、その概要と、サービス向上を実現させる上での課題を、機械設計責任者としての立場で多面的な観点から抽出せよ。

R02:電気設備・Ⅲ-2
(1)技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

R02:建設・必須-1
(1)それぞれの地域において、 地域の中小建設業が今後もその使命を果たすべく担い手を確保していく上で、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。

どの部門でも同じですが、「多面的な観点から課題を抽出」するところまでは同じです。
そのあと、「観点と共に示せ」は、記載のある問題と無い問題があります。
そのため、この講座で提供した問題はAとBの2つを用意して、観点を示す問題と、示さなくても良い問題を提示しています。
ですから、それは問題に合せて観点を書くか書かないかを決めれば良いのです。
一方、「課題を抽出」するのは、どの問題でも同じです。
では、抽出するとはどうすれば良いのでしょうか?

デジタル大辞泉の解説
1.多くの中からある特定のものを抜き出すこと。「名簿から該当者を無作為に抽出する」
2.液体または固体の中から特定の物質を溶媒に溶かして取り出すこと。「花から精油を抽出する」

要するに、問題文を読んで、その中からある要素を抜き出すと言って良いと思います。
上の設問では問題の前文が分りませんから抽出できませんが、例えば生産性向上を目指すのが題意であれば、そのための課題を抽出します。

ほとんどの課題は3~4件抽出されます。
数はそれくらいが良いと思います。
多面的に抽出ですから、1~2件では少ないのです。
かと言って、5~7件では多すぎて、課題の説明が出来なくなります
これまで、最も多い課題で12件という解答を見たことがありますが、それぞれの課題に対し1行ずつの説明でした。それでも24行必要になります。
これでは、しっかり課題を説明することができません。
ですから、3~4件で良いと思います。

もう一つ、以外と多いのが問題文をそのままなぞった課題です。
例えば、生産性向上が題意なら、「生産性向上の対策が課題」と言う書き方です。
防災・減災が題意の問題では「防災対策を進めるのが課題」となっています。

確かに、この書き方だと絶対に題意を外しません。
しかし、これで抽出したと言えるでしょうか?
言われて見れば、「抽出したとは言えない」と多くの方が思うはずです。

No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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