2021/04/22
財政破綻論はあり得ない
問題文に「財政の逼迫」と言う言葉がよく出てきます。
しかし、それは本当でしょうか?
そこで財務省の公式ホームページを確認して下さい。
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
これは、海外の格付け会社が日本の財政問題に関して、格付け判定を行い、その評価を下げたことに対する、財務省の反論です。以下がその内容です。
(1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
(2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。
例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。
・ マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国
・ その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
・ 日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
(3)各国間の格付けの整合性に疑問。次のような例はどのように説明されるのか。
・ 一人当たりのGDPが日本の1/3でかつ大きな経常赤字国でも、日本より格付けが高い国がある。
・ 1976年のポンド危機とIMF借入れの僅か2年後(1978年)に発行された英国の外債や双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ばの米国債はAAA格を維持した。
・ 日本国債がシングルAに格下げされれば、日本より経済のファンダメンタルズではるかに格差のある新興市場国と同格付けとなる。
(1)の部分を見て下さい。「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。」とあります。
もちろん、日本の国債は全て自国通貨建てです。外国からの借り入れはありません。
(厳密に言えばありますが、誤差の範囲です)
よって、日本が財政破綻することは無いと財務省が公式に発表したことになります。
白書や問題文にもよく出てきますが、実は日本に財政上の制限はありません。
もっとも、そこまで解答に入れるのは3枚の解答では無理ですから、直接的な書き方は避けた方が良いと思います。
そうではなくて、財務省がこんなことを公式に発表しているぐらいまでは書いても良いと思います。
また、それをしないと、自然災害大国の日本では、これからも毎年雨が降ったり、台風が来たりするだけで、多くの人が被災し、命を失うことになるのです。