2021/04/15
インフラの重要性を考える
日本の土木技術は世界でもトップレベルです。
その土木技術の結晶に、首都圏外郭放水路があります。
首都圏外郭放水路は、浸水の多発する中川流域において、治水対策としてこれまで進めてきた河川の改修に加えて、浸水被害解消のための抜本策の治水施設として建設されました。
放水路は、国道16号の地下約50mに設置され、延長6.3kmの地下の1級河川です。各河川の水位が上がった洪水を取り入れる流入施設、地下で貯水及び流下させる地下水路(直径10m)、そして地下水路から江戸川に排出する排水機場等で構成されています。
日本の首都圏で水害を軽減することを目的とした治水施設で、地下にありますが調整池の一つです。
埼玉県春日部市の上金崎地から小渕にかけての延長約6.3km、国道16号直下約50m地点に設けられた世界最大級の地下放水路です。周辺の中川、倉松川、大落古利根川、18号水路、幸松川といった中小河川が洪水となった時、これらの洪水の一部を江戸川に流し、洪水の被害を軽減するために作られました。
1993年(平成5年)3月に着工し、2002年(平成14年)6月に一部供用を開始した後、2006年(平成18年)6月から全区間の完成と全川の供用が開始しました。
総工費は2,300億円です。
巨額の金額ですが、供用始まってから僅か15年で1,500億円以上の水害を防止しています。
泥水式シールド工法で建設されたシールドトンネルで、延長約6.3km、内径約10m。
本水路の周辺地域は、かつては利根川の本流が流れており、他地域に比べて低く水が溜まりやすい地形となっています。
江戸時代初期の利根川東遷事業以降は水田として開発されたが、高度経済成長期の都市化で浸水被害が頻発するようになっていました。
その浸水被害を防止しているのがこの放水路です。
この放水路では、雨水を一度地下に溜めて、江戸川に放水します。
排水機場の地下に設置された大型ポンプの排水能力は、1台あたり1秒間に50m3(約50t)です。その大型ポンプが4台設置されています。ポンプの駆動設備は、信頼性の高い航空機用に開発されたガスタービンを改造したものです。つまり4台合計で最大排水量200立方メートル/秒のポンプ設備ということになります。
25メートルのプールなら1秒で水を満たすことができると言うことです。
頻繁に水害が発生する九州や山陽地方でもこんな地下施設を作れば、景気対策にもなるし、災害が防止出来るのですが、なぜか日本はやりません。
残念です。