【技術士二次試験】技術士会の考えるリスク2

2021/01/14

技術士会の考えるリスク2

前回に続いて、「リスクマネジメントとは?」」の紹介です。
思い出して下さい。
試験では
③「リスク(risk)事態の確からしさとその結果の組合せ、または事態の発生確率とその結果の組合せ」(JIS Q 2001)
(備考:ある状況では、リスクは予想との乖離のことである。)
上記の考え方が最も使いやすいと思います。

前回上記のように説明しました。
本の中では、そのしたに「危機」と「リスク」の説明があり、その説明もまさに上記のリスクを表現しています。

1.3 リスク(Risk)と危機(Crisis)
危機は、既に発生した事態を指している。これに対して、リスクは未だ発生していない可能性のある案件を指す。ここから、「危機管理」と「リスクマネジメント」の違いが分かる。
即ち、「危機管理」というのは、既に実際に起きた事故や事件に対して、そこから受ける損害をできるだけ小さく、かつ減らそうという考えである。従つて、大災害や大事故の直後に設置されるのは、「危機管理対策本部」や「危機管理組織」と言われる。
これに対して「リスクマネジメント」は、これから起きるかもしれない可能性を持つ案件に対して、事前に予測し対応する行動である。

この説明ではプラスのニュアンスは完全に払拭されています。
この本は正確に伝えようとして、逆にそのことが読み手を惑わすことになっていることに気がついていません。とは言え、リスクと危機の説明はまさにその通りです。上記の通り理解して下さい。

もう一つ、行きましょう。リスクへの対策です。4つの方法があることはご存知でしょう。

2.3 リスクの低減、回避、移転、保有
リスクを特定し、対策をたてる。
(1)リスクの低減
特定のリスクに関する発生頻度、または確率を小さくする行為である
(2)リスクの回避
リスクに巻き込まれないようにする事業の行動またはリスクのある事業等からの徹退する行動である。
(3)リスクの移転
特定のリスクに関する損失の負担を他者と分担することである。例えば、 リスクに保険を掛け対処する方法である。
(4)リスクの保有
特定のリスクに関する損失の負担を受け入れすることである。

この4つの方法は、総監でも択一試験に出ますから解釈を含めしっかり覚えて下さい。
とても重要です。

No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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