Ⅲと必須の設問｜講師匠習作の技術士応援ブログ

2020/11/26

Ⅲと必須の設問

技術士試験のⅢと必須では、令和元年の試験から、設問がほぼ統一されました。

設問1：前文のテーマから、考えられる課題を抽出して分析する。
設問2：抽出した課題の中から、最も重要と考える課題を選択し、課題に対して複数の解決策を示す。
設問3：解決策に共通して新たに生じるリスクとその対策を述べる。
必須の設問4では、課題抽出から、解決策の実行までに、必要な要件を技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べる。

ほぼ全ての部門と科目で上記のような設問です。
例外的に課題や解決策に数を指定している問題もあります。
例えば、化学部門の高分子では、令和元年Ⅲ－1において、以下のような設問です。

（1）技術者としての立場で多面的な観点からバイオプラスチックの課題を4つ抽出し分析せよ。
（2）抽出した課題のうちあなたが重要と考える課題を 2つ選択し，それぞれの課題に対する2つの解決策を示せ。
（3）解決策に関連して新たに生じうるリスクを3つ挙げ，それぞれのリスクへの対策について述べよ。

この場合、数を絶対に守って下さい。
4つの課題と分かるように、タイトルを入れて解答しましょう。
化学部門は、必須でも「3つの課題」と数を指定しています。また、これは令和2年度の問題でも同じです。
とは言え、逆に数が指定されれば、それに従うだけですから、その方が楽かもしれません。
逆に、令和2年の問題から、設問形式のバリエーションが増えました。

令和元年の設問も多数あるのですが、それに加えて

設問1：課題を多面的な観点から抽出し，その内容を観点とともに示せ。
設問2：抽出した課題の中から、最も重要と考える課題を選択し、課題に対して複数の解決策を示す。
設問3：解決策を実行した上で生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
必須の設問4は変化していません。

この新しい設問の場合、設問1では、どの観点から課題を抽出しているのかを解答に入れなければなりません。

例えば
1．1　技術的観点
1．2　環境負荷の観点
1．3　安全面での観点

などです。タイトルにこれを入れて、そのしたに課題を説明すれば良いと思います。

また、設問３は、「波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。」とありますから、波及効果はプラスの効果、懸案事項はようするにリスクです。
これまでは、リスクだけでしたから、そこが変化しています。

令和3年度の試験では、さらにバリエーションが増えるかもしれません。
あるいは、上記2つの設問が、混在して使われるかもしれません。
そこは、予想できませんから、両方に対応出来るようにトレーニングして下さい。

匠　習作（たくみ　しゅうさく）　プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。