【技術士二次試験】言葉の意味を理解しましょう

2020/08/13


言葉の意味を理解しましょう

「今後、高度経済成長以降に作られた施設が一斉に老朽化する」
私は、この言葉を、ほぼ毎日見ます。

ここで言う、「一斉」とは、どれくらいの規模・期間を想定していますか?
1年、あるいは3年くらいでしょうか?
普通の間隔で、20年なら「一斉」とは言わないのではないですか?

日本のインフラは、
https://www5.cao.go.jp/keizai2/ioj/index.html

ご覧の通りです。
1973年に160兆円のストックだったインフラの純資本ストックは、2001年に600兆円と3倍に増えました。27年間で3倍です。
施設の寿命は個別に異なりますから、一様に寿命になる訳ではありません。
しかし、まあ概ね50年もつなら、今後2023年~2051年の間に順番に寿命になるのです。
これを、一斉と考えるか? まあ、順番と考えるか? それはその人の感覚的なところによって変わるでしょう。

ちなみに、2001年から2013年までは12年間で90兆円しか増えていません。

また、日本経済が飛躍的に成長を遂げた時期は、1954年(昭和29年)12月から1973年11月までの約19年間です。
その高度経済成長期には、1954年に40兆円だった社会資本が、1973年に160兆円まで4倍に増えています。
矢張り、量よりも率で増えた方が、成長を実感できるのですね。

技術士試験は「筆記試験」です。
何を当たり前なことを言ってると思うかもしれません。
しかし、本当に理解していますか?
筆記試験ですから、言葉と文章で解答する訳です。

解答する時、よく言葉を選んでください。
本当に、その言葉読み手である試験委員に、あなたの考えは伝わりますか?
そして、あなたに技術士に相応しい能力があると伝わりますか?

No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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