2020/05/21
この場合の不確かさとは、好ましくない事象が発生する可能性のことです。日本ではリスクという言葉がネガティブな意味で使用されており、「危険」あるは「危機」という意味で使われることが多い言葉です。
実際に『リスク』を国語辞典で調べてみると、「危険」「危険度」「予想したとおりにうまくいかない可能性」「失敗したり損をしたりする危険」とあります。一般的には『リスク』は「危険」を表す言葉と定義されています。
危険の生じる可能性。危険度。また、結果を予測できる度合い。予想通りにいかない可能性。「リスクを伴う」「リスクの大きい事業」「資産を分散投資してリスクの低減を図る」
こんなところがリスクの考え方でしょうか。
技術士試験のⅢや必須問題では、解決策から新たに生まれる「リスク」を問います。オリジナル問題ではこれをわざと違う言葉で(例えば、新たな障害)答えを求めたりしています。
この場合、問題文の通りに解答すれば良いのですが、惑わされる方もわりと多いです。
いずれにしれも、解決策から生まれるリスクを考えて下さい。
例えば、二酸化炭素排出量の削減を目的に、原子力発電所を作ったら、放射線漏れ事故を起こす可能性はあります。これが、解決策から生まれたリスクです。
では再生可能エネルギーの代表である太陽光発電パネルを補助金で導入し、余剰電力を電力会社に売る場合のリスクはどうでしょう?
少なくとも放射線漏れはあり得ません。
しかし、補助金で導入した再生可能エネルギー設備等が、地震・台風・集中豪雨・豪雪・津波などの自然災害に対する十分な強度計算や対策が取られておらず、事業要件(地域における再エネ普及・拡大の妨げとなっている自然的社会的条件に応じた課題への適切な対応を備えていること)を満たさないおそれはあります。
台風で見るも無残な廃棄物になった太陽光発電パネルを新聞やテレビでご覧になった方もいるでしょう。契約の仕方によっては全く保証されていないものもあるようです。
風力発電も同じです、風で電力を発生させるメカニズムでありながら、台風で倒れてしまった風力発電設備は何台もあります。
2003年ですが、宮古島に作ったばかりの風力発電設備が台風一過で6台なぎ倒されました。
新しい技術には常にリスクが付き纏います。
技術的な解決策は一つではありません。そして、その複数ある全ての解決策に複数のリスクがあるのです。頭を絞って考えて下さい。
匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
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