2020/03/05
入れて欲しくない言葉に「問題点」と言う言葉があります。
なぜかと言うと、技術士試験の概要にも問題文に出て来ないからです。
つまり、定義が曖昧です。
技術士会が発行した、「令和元年からの試験概要」では、口頭試験で問われる内容は以下です。
1) 技術士としての実務能力
① コミュニケーション・リーダーシップ :30点
② 評価、マネジメント :30点
2)技術士としての適格性
① 技術者倫理 :20点
② 継続研鑽 :20点
一目で分かりますが、
1) 技術士としての実務能力
① コミュニケーション・リーダーシップ :30点
② 評価、マネジメント :30点
上記が重視されています。配点で言えば、60点と40点ですから、1.5倍です。
また、これに関わるのが経歴と業務の詳細です。
受験者の実務能力を、専門知識ではなく、コミュニケーション・リーダーシップと評価、マネジメント能力で見ると発表しています。
それなのに、どうして専門知識を入れようとするのですか?
「コミュニケーション・リーダーシップと評価、マネジメント能力」
これを見せて下さい。
資格や特許のことを書いても良いのですが、最も重要な能力は、上の4つです。
それを忘れないで下さい。
また、この4つは、もちろん、技術士に求められるコンピテンシーです。
部下やクライアントとどのようにコミュニケーションを取りましたか?
関係業者や部下・同僚に対し、どのようにリーダーシップを発揮したのでしょうか?
解決策を実施したとき、リスクの評価は行いましたか?
忘れている方も多いので、ここでもう一度説明を載せます。
1) マネジメント
・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。
2) 評価
・業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。
3) コミュニケーション
・業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
・海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
4) リーダーシップ
・業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
・海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。
この4つの能力を見せて下さい。
それができれば、口頭試験突破です。
匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
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