問題は作った方が良い
よくある質問です。
もちろん、どちらもOKです。
オリジナル問題が重要と言うことはありません。
令和元年の試験問題を見て、この方向で行くのだろうと考え、設問は概ねその通りにしました。ですが、ときどき、「絶対間違いないですか?」と質問されます。
私が技術士試験の問題を作るわけではないので、絶対とは言えません。
今年の試験が終ったら、その辺りを調査・検討してオリジナル問題を見直します。
受講者の皆さんは、以下のことを自分で考えてやってみて下さい。
平成29年:建設・施工管理
Ⅲ-1
最近、社会資本整備がもたらすストック効果が実感される一方で、国、地方自治体の厳しい財政制約の中、効率的、効果的に社会資本整備を進めるため、民間が有する能力を活用することがますます重要となってきている。このため、コスト縮減、品質確保、工程管理等に資する民聞が有する能力を取り入れるべく、公共工事の入札において様々な契約方式が提案されてきている。これらを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)社会資本整備に当たって、コスト縮減、品質確保、工程管理等に関して、民間が有する能力を効果的に発揮できる契約方式について2つ挙げ、それぞれについて概説し、その特徴と効果について述べよ。
(2)(1)で挙げた1つの契約方式に参加するとして、あなたが実施できる提案を挙げ、それによって期待される成果を述べよ。
(3) (1)で挙げた1つの契約方式について、その契約方式が目的とする効果を発揮するための留意点について、あなたの考えを述べよ。
これが、令和元年以前の問題です。
これを令和風に修正します。
Ⅲ-1(令和風に変更)
最近、社会資本整備がもたらすストック効果が実感される一方で、国、地方自治体の厳しい財政制約の中、効率的、効果的に社会資本整備を進めるため、民間が有する能力を活用することがますます重要となってきている。
このため、コスト縮減、品質確保、工程管理等に資する民聞が有する能力を取り入れるべく、公共工事の入札において様々な契約方式が提案されてきている。
これらを踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)社会資本整備に当たって、コスト縮減、品質確保、工程管理等に関して、民間が有する能力を効果的に発揮するために、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、 その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) (2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
いかがでしょうか?
もちろん、繰り返しますが、設問が必ずこの形式になるとは、何とも言えません。
ただし、多くの問題を作っていて、分かるのですが、この方法なら問題が作りやすいのです。
また、問題の難易度がある程度揃えられます。
ですから、私は令和元年からの設問形式がしばらく続くと思っています。
また、これと別に問題を自作するのは別の効果もあります。
これも令和元年からの試験ですが、求められる能力が問題毎に明記されました。
つまり、例えば上のⅢの問題では
概念
社会的なニーズや技術の進歩に伴い、社会や技術における様々な状況から、複合的な問題や課題を把握し、社会的利益や技術的優位性などの多様な視点からの調査・分析を経て、問題解決のための課題とその遂行について論理的かつ合理的に説明できる能力
出題内容
社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として、「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い、多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して、その遂行方策について提示できるかを問う。
評価項目
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち、専門的学識、問題解決、評価、コミュニケーションの各項目
と説明されています。
どの設問がどの評価項目を問うのかを考えて下さい。
問題を作ると、これが見えて来ます。