2020/02/13
再び『「イシューからはじめよ」~知的生産の「シンプルな本質」~ 安宅和人 (あたか かずと)』
から引用します。
以下は150ページから151ページです。
************引用はここから****************
たとえば、「ジャイアント馬場はデカい」という表現を聞いて、「これは分析だと思うか?」と
周りの人に尋ねてみると、ほとんどの人が「分析だとは思わない」と答える。
しかし、図4(棒グラフで、4カ国の男性から平均身長を抜き出し、ジャイアント馬場の209センチと比較した図)のように、ジャイアント馬場の身長を日本人と他国の人の平均身長と比較して見せた場合には、今度はほとんどの人が「これは分析だ」と答える。
この差は単純に「比較」の有無だ。「比較」が言葉に信頼を与え、「比較」が論理を成り立たせ、「比較」がイシューに答えを出す。
優れた分析は、タテ軸、ヨコ軸の広がり、すなわち「比較」の軸が明確だ。
そして、そのそれぞれの軸がイシューに答えを出すことに直結している。
つまり、分析では適切な「比較の軸」がカギとなる。どのような軸で何と何を比較するとそのイシューに答えが出るのかを考える。
これが絵コンテづくりの第一歩だ。定性的な分析であろうと定量的な分析であろうと、どのような軸で何と何を比べるのか、どのように条件の仕分けを行うのか、これを考えることが分析設計の本質だ。
************引用はここまで****************
何となくイメージできますか?
皆さん、必須問題やⅢの設問1で、課題を抽出する訳です。
ここまでは、大抵の方が出来ています。
まれに、課題ではなく現状分析を書く方もいましが、まあ、ほとんどは課題を抽出しています。
しかし、その後の分析が出来ていないのです。
逆に、問われていないのに、設問2では最も重要な課題を選んだ理由を解答しています。
これは、平成30年までならOKです。
しかし、令和元年からの問題文には、何度も言いますが、「分析」が必要なのです。
また、それは設問1で求められています。
ですから、設問1の解答で課題を抽出したら、分析を行って下さい。
そして、たった3枚で設問に解答することを忘れないで下さい。
精密な分析は無理です。
そのため、前回、簡単に分析に見える解答方法をご説明しました。
試験で使えると思います。
自分で工夫して、書き方をマスターして下さい。
繰り返しますが
最後に
「比較分析した結果、〇〇の課題が最も重要な課題と考えられる。」
と書けば、何となく分析された感じになります。
覚えて、使って下さい。
もちろん、他にも良い方法はあると思います。
匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
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