【技術士二次試験】分析していますか?再開します

分析=分けることと思っている方は多いです。
辞書などでも分けるに近い説明があるのです。

2020/01/30

分析しますか?再開します


分析していますか?再開します

例えばコトバンクでは、以下のような説明があります。
参考:https://kotobank.jp/word/%E5%88%86%E6%9E%90-623351

大辞林 第三版
ぶんせき【分析】

①ある事柄の内容・性質などを明らかにするため、細かな要素に分けていくこと。 ⇔ 総合 「事態を-して対処方針を立てる」
②知的活動の過程・方法の一。所与の対象・表象・概念などを、それを構成する部分・要素・条件などに分け入って解明すること。 ⇔ 総合
③物質に含まれている成分の種類や量を化学的・物理的に求めること。 〔化学用語として「舎密開宗」(1837~47年)に載る。「和英語林集成」(1867年)に訳語として analysis とある〕

ここでは、分析とは分けることと説明されています。
では、技術士試験で「課題を抽出して分析せよ」と問われた場合、どのように答えれば良いのでしょうか? 少し遠回りして説明します。

英治出版株式会社から、2010年12月に発刊された本に
『「イシューからはじめよ」~知的生産の「シンプルな本質」~安宅和人 (あたか かずと)』
と言う本があります。

この本はベストセラー・ロングセラーで、2019年8月で第31刷りになっています。
ビジネス書では驚異的です。
ぜひ、読んで欲しいのですが、この本の中で分析についてとても分かりやすく、ユニークな説明があります。
今回は、まずそこからご紹介します。以下は148ページから149ページです。

************引用はここから****************

僕はこれまで多くの人に分析に関するトレーニングを行ってきたが、ここで、僕はいつも同じ質問をする。
それは「分析って、何だろう?」というものだ。
「分析とは何か?」、ここで返ってくる答えは、

●分けること
●数字で表現すること

といういずれかが多い。最近は、事業戦略の本が溢れているせいか、

●戦略的な課題について検討すること

という答えもある。それぞれ何らかの意味はあるのだが、こと「分析の本質」という視点で考えるとこれらはいずれも的を射ているとは言えない。
「分析とは分けること」というのはよく聞く答えだが、「分けない分析」も実はたくさんある。
たとえば「東京の平均所得は地方よりも高い」という事象を検証しようとする場合、東京都と、一例として僕の出身地である富山県を対象にすると、それぞれの1人あたり、または世帯あたりの平均所得をそのまま比較するだけで事足りる。「東京と地方では年齢層が違う」という議論があるならば、同じ年齢層同士の平均を比較する。「分ける」必要はどこにもない。

「分析とは数字で表現すること」というのはどうだろう? 一見正しそうに思えるが、実は「数字で表現しない分析」というものもある。たとえば、ネアンデルタール人の頭骨と現代人の祖先であるクロマニヨン人の頭骨を重ね合わせてみる。そうすると、眉の上の部分の骨の隆起の仕方や額の傾斜など、さまざまな違いが見えてくる。これも教科書や論文でよく見る立派な分析だ。
あるいは、ある薬品が神経形態に与える影響を調べる場合、薬剤の有無や濃度別に写真を撮ってそれを比べることもある。数字はまったく使っていないがこれらも立派な分析だ。

「分析とは戦略的な課題について検討すること」というのも、これまでの例、つまり科学研究など戦略的な課題をテーマにしない世界でも分析が日々行われているのを見れば、本質を突いた答えではないことがわかるだろう。

「分析とは何か?」
僕の答えは「分析とは比較、すなわち比べること」というものだ。分析と言われるものに共通するのは、フェアに対象同士を比べ、その違いを見ることだ。

************引用はここまで****************

分析とは分けることではありません。
比較することなのです。
次回に続きます。

No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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