分りやすい文章を書いているか?4

前回は脱線した話になりましたが、今回は本線に戻ります。
分かりやすい文章です。

2020/01/09

口頭試験の頻出問題2


分りやすい文章を書いているか?4

毎回、論文や文章の書き方に関する本を紹介して、書き方の注意点を説明したいと思います。

前々回で、『木下是雄著「理科系の作文技術」:中公新書』をご紹介したと思います。
とても良い本ですから、もう1回この本を取り上げたいと思います。

『日本語の文章も,明治以降は,欧文の影響を受けて、かたちの上ではパラグラフを立てて書くようになってきている。しかし、かたちといっしょにパラグラフというものの内容も輸入されたかというと,それは疑わしい。欧米のレトリックの授業(13節、p10)では、文章論のいちばん大切な要素としてパラグラフの意義、パラグラフの立て方を徹底的にたたきこんでいるようだが、教室でパラグラフの意義を教えられた経験のある日本人は数すくないのではないか。

~~中略~~

つまり、トピック・センテンスと関係のない文や、 トピック・センテンスに述べたことに反する内容をもった文を同じパラグラフに書きこんではいけないのである。この意味で、トピック・センテンスはパラグラフを支配し、他の文はトピック・センテンスを支援しなければならない。』

(出典:木下是雄著作「理科系の作文技術」中公新書1981年)

技術士試験の解答は、設問に合わせてタイトルを入れると思います。ですから、自然にパラグラフライティングになるがはずですが、実はそうでもありません。パラグラフは、意味のある文章の塊です。ブログやメルマガでは別ですが、論文では必須の書き方です。
また、パラグラフライティングを使うことで、文章の意味を考えながら書くことができるようになります。試験という、短い時間の中でパラグラフを意識しながら解答するのは大変ですが、普段からトレーニングすることでできるようになります。
また、「トピック・センテンス」も同じです、冒頭でパラグラフの内容を要約し、その下で展開すればとても分かりやすい文章になります。

ですから、1つのパラグラフの中で、話を逆転させてはいけません。特に間違いが多いのは「しかし」を使った文章です。「しかし」は、逆接の接続詞です。1つのパラグラフで「しかし」を使う時は、「しかし」の後にくる、結論をパラグラフのトピックにして下さい。また、ときどき、「しかし」を2回使って、体操の「2回転半捻り」のような解答を書く方がいます。これは絶対に止めましょう。これは、何が結論なのか分からなくなります。

分かりやすい文章と、分かり難い文章の差は僅かです。
ほんの少しの工夫で文章は読みやすくなるものです。また、少しのトレーニングで簡単に身につけられます。
ぜひ、試験対策としてだけでなく、一生使える文章力を身につけて下さい。


匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。