2020/01/02
前々回から、分かりやすい文章のことを説明していましたが。今回だけ違うことを書かせて下さい。
あまりに間違いが多いからです。
「高度経済成長期に整備された多くの社会基盤は整備後50年が経過しようとしており、その後整備されたものも含めて老朽化が進行している。」
このフレーズは、何度も見ています。
それで、このブログでも、私の本「合格者達の勉強法」(学芸社)でも、それが間違いであることを説明しています。
しかし、それでも新たに書いてくる方がいます。
それで、もう一度、書いておきます。
日本経済が飛躍的に成長を遂げた時期は、1954年(昭和29年)12月から1973年11月までの約19年間です。
また、日本のインフラは
https://www5.cao.go.jp/keizai2/ioj/index.html
ここにある通りです。
社会資本の多くは高度経済成長以降に整備されています。
1954~1973年に作られたインフラなら、現時点(2020年)で、その80%程度が築50年を超えています。
このような事実誤認は、大きな減点になります。
また、これも覚えて下さい。
「人口減少によって、税収が大きく減っている。」
上記のフレーズもよく見ます。
しかし、これも全くの誤解です。
日本の総人口や生産年齢人口は減っています。
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc111110.html
総務省のページですが、人口は2005年~2010年の間がピークでした。
しかし、税収は
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a03.htm
財務省のページです。
ごらんのとおり、直近30年で2009年がボトムです。
それ以降は、人口減にかかわらず、税収は増え続けています。
今年は、過去最高の税収になるでしょう。
つまりバブル期を抜くわけです。
逆に建設投資は
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h27/hakusho/h28/html/n1321000.html
国土交通省のサイトです。
これは公開されている確かなデータです。
せめて、これくらいはしっかり確認して下さい。
匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
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