分りやすい文章を書いているか?

2019/12/19

口頭試験の頻出問題2


分りやすい文章を書いているか?

『文は、一つかそれ以上の単語が集まった構成要素だから、わかりやすい文か否かは、単語の選択の良い悪いで決ることはいうまでもない。したがって、単語に対する鋭い感覚をもたないと、わかりやすい文は書けない。私が最近経験した例を紹介しよう。来客があるというので近くの雑貨店へ「テーブルソルト」を買いに行った。主人にはわかりきっていると思って「テープルソルトを下さい」と言ったところ、「テーブルソルトですか。そんな高級なものは私の店には置いていません」の返事である。「あの、お塩なのですがね。ないんですか。食卓で使うお塩なのですがね」「ああ、食卓塩ですか。それならありますよ」
初めから「食卓塩」と言えばよかったのである。それにしても、買った塩にはちゃんと「テープルソルト」と書いてあったのだ。しかし、相手を見て、使う単語は選ばなければならない、とこのときほど痛感したことはない。もしも最初から「食卓塩」と言っていたならば、ものの一分とかからずに済んだのに、五分くらいは費やしたであろう。』
(出典:篠田 義明 著作 「コミュニケーション技術―実用的文章の書き方」 中公新書 1986年)

有名な本ですから、持っている方も多いでしょう。17ページの部分です。
技術士試験は、専門家が受験する試験です。部門は様々ですが、どの分野であっても土木とか機械とか電気の専門家が受験します。当然ですが、解答には専門用語が並びます。
このとき、どこまで専門用語を入れて良いのか悩むことがあると思います。
これは、誰でもあることなので必要以上に悩む必要はありません。

とても大雑把ですが、同じ専門分野の大学3~4年生に分ればOKです。
修士や博士の院生でないと分らないと言う場合少し考え直して下さい。

読み手である試験委員は、とても頭の良い科学技術に明るい人です。通俗的な言い方で書けば、「理系・右脳」派です。しかし、あなたの業務やあなたの会社のことは何も知りません。
そんな読み手を想定して下さい

私の分野で書けば(機械・設計~加工など)
DR
FMEA
FSW
キャビテーション

上記の言葉は分ると思います。
ですから、入れてよい、使ってよい言葉です。
しかし、
低侵襲
マイクロ波サージェリー
EOG
テラヘルツ光

これらは使えません。
医療機器の世界で使う言葉だからです。
専門用語を使う時は、必要以上に神経を使って下さい。
せっかくの、解答を読んで貰うことができません。
また、文章だけで他人に、自分の考えを伝えることの難しさを知るべきです。
それが、技術士のコミュニケーション能力です。

これから何回かに分けて、分りやすい文章に関してお伝えしたいと思います。


匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。