未だに多く見られる間違い・勘違い

試験の約10日前となりました。
今回は、このところ添削でよく見る間違いを説明致します。

2019/07/04


未だに多く見られる間違い・勘違い

  • 少子高齢化を一括りで問題にしないこと

そもそも、少子化高齢化自体別の現象です。
そこは、まあ、問題文にも頻繁に出て来ることばですから、解答者が一括りで使うのは仕方がないかもしれません。
でも、その意味は良く考えて下さい。

そもそも、高齢化は、人が長生きするようになったから発生している現象です。
私が生まれる少し前、1960年では、男性の平均寿命は65.32歳。女性で70.19歳。
やっと、70歳を越えたのは、60年前だったのです。
男女ともに70歳を越えたのは、1972年まで待たなければなりません。
荻原勝『定年制の歴史』(日本労働協会、1984年)によれば、当初の定年制は労働者の足止め策と表裏でした。

例えば、海軍の場合、45才が採用の上限で、年季が10年であったので、55才定年ということになりました。そのため、戦後の1947年 に立法された労働基準法では、使用者による過度の足止め策を禁止する規定が並んでいます。有期労働契約の上限を1年(当時・14条)とし、賠償予定 (16条)・前借金相殺(17条)・強制貯金(18条)といった手段による足止め策を禁止しています。

それに対して現在では、平均寿命の急伸を背景に、定年制は強制退職の側面が強くなっています。そこで、高年齢者雇用安定法は、1985年に60才定年を努力義務としました(ビックリするほど最近だと思いませんか?)。
さらに、1994年には法改正して 60才定年を義務化する規定を設けで1998年に施行され60才定年となりました。
その後、2006年には法改正して65才までの継続雇用を義務化する規 定を設けて、2013年より施行されています。しかし、新生児の死亡を除外したとしても平均寿命は、明治時代の50才から現在の80歳まで30歳も伸びて いるのに対し、定年年齢は、55歳から65歳と10歳しか伸びていないのです。

高齢化の問題は、祖父、親、子供の三世代で全て異なるほど、変化が早すぎて、社会の体制と言うか仕組みがそこに追いつかなかったことにあると思います。
と言うことは、逆に仕組みを変えれば解決出来る問題だということです。
見方を変えれば問題でも何でも無いとも言えます。

次に少子化ですが、これは日本だけの問題ではなく、先進国は全て程度の差こそあれ発生しています。世界的に見れば人口爆発は今でも続いているので、生物としての人が本能的に人口爆発を抑えようとしているという説まであるほどです。

ですから、解答の中で安易に少子高齢化を問題とせず、少子高齢化によって、発生する問題を考えるようにして下さい。

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/index.html

内閣府では少子化対策白書を毎年発行しています。
データを含めて読んだ方が良いと思います。


匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。