その考え方では合格できません。

技術士試験は社会人が受験する試験です。

2019/02/7


その考え方では合格できません。

技術士試験は社会人が受験する試験です。
ですから知識よりも、業務経験が重視されます。以前、話を伺ったことがある試験委員の先生は、「試験勉強なんていらないんだよ、普段の業務がそのまま試験勉強なんだ! それが分っていない人が多すぎる」と怒っていました。
これは、流石にオーバーだとしてもある程度は頷けます。

私の経験を書きましょう。
私は、平成21年に一次試験を受けて合格しました。金属部門です。
私は元々、工業化学を勉強した人間で、機械は素人でした。
しかし、務めた会社では、医療機器を作ることになり、それは機械工学の世界の話でした。
数年前まで医療機器部品の商社だったその会社は、私が入社する少し前に自社工場を持ちました。会社の中は、文系の人ばかりで、上の人たちは全員営業畑の人間でした。
そのため、工学部出身の私は重宝がられて、すぐに新工場設立プロジェクトが始り、私はリーダーになりました。
平成3年11月に新しい工場ができて、私は工場長になったのです。とは言え、機械は素人でしたから、はじめのうちは苦労しました。

その後10年以上経ってから、「ISO13485」と言う医療機器の規格を勉強するためにセミナーに行きました。そのときの講師が経営工学部門の技術士で昼休みに技術士試験の雑談をしたのです。
私は技術士のことは知っていましたが、自分の業務がそれに値するとは思えず、受験なんて考えたこともありませんでした。しかし、そのとき「総合技術監理部門って言う管理者向けの技術士部門もある」と教えられて興味を持ちました。平成20年のときだったと思います。
その後、自分で調べて「これは面白い、これまで勘と経験でやっていたことが体系化されている」と思うようになって、受験することを決めたのです。

21年に一次試験を突破してすぐに二次試験のつもりでしたが、その年受験申込み書は出したモノの、田舎に住む父の病気で受験は断念しました。
それで、23年に総監部門と機械部門を併願で受験しました。とにかく早く技術士になって独立したいと言う想いがあったからです。
総監は私にとって簡単でした。普段行っていることを総監の言葉で書くだけだからです。
ですから、むしろ暗記が必要な択一の対策を重点的に行いました。

逆に機械は難しかったのです、何しろ基本的な知識がありませんでした。
普段の業務も、私は管理者でしたから、機械エンジニアらしいことは何もしていないのです。
今、思えば良く受かったものだと思います。
しかし、論文の書き方はしっかり練習してマスターできたと思っています。

私以外にも、文学部出身、教育学部、経済学部出身で技術士になっている人を何人か知っています。仕事そのものは、もちろん、エンジニアとしての仕事ですが、学生時代の勉強内容は技術士の部門と関係無いのです。ただし、皆さん、文章は上手です。

このことを良く考えて下さい。

技術士は職人の資格ではありません。
あくまでも、エンジニアの資格です。


匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。