2019/01/31
以下、技術士会のサイトには、
(https://www.engineer.or.jp/c_topics/005/005699.html)
Q9:業務経歴票の書き方に変更はありますか。
A9:大幅な変更はありませんが、軽微な変更の可能性はあります。
とあります。
そのせいか分りませんが、今のうちにある程度「業務の詳細」を完成させようと考えている方が多いのだと思います。
これまで、ずいぶん多くの方に対してアドバイスを行って来ましたが、業務の詳細に関しては誤解が多いので再び三度説明します。
31年度の試験では上記のように少し変更があるかもしれませんが、根本的に変わることはありません。
先ず、年代順に5つの業務を選んで下さい。
ここで言う技術士の業務とは技術士法で定義されている業務です。
すなわち、
「科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務」です。
まだ、「技術士になってないのだから、技術士の業務は行っていないのでは?」、当然そう考え方はいると思います。私もこれまで何度か言われたり、質問されたりしました。
私の考えは以下です。
技術士法の上記の部分は要するに技術士の定義です。技術士とは何か? 技術士とは何をする人か? それが明確に書いてある部分です。
技術士を受験する人は、これを読んでいるだろうか? そして読んでいるなら技術士の業務を知っているはず。知っているなら、経歴に書けるだろう。
いかがですか?
一言で言えば、「技術士法はしっかり読んで理解しています」とアピールするためです。
ですから、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価に当てはめて業務を書いて下さい。多少無理でも良いのです。試験委員もそれは分っています。分っていても、法律用語は変えられません。ですから、この6つの業務で書いて下さい。
次に、詳細です。
もっとも多い誤解は「業務の詳細」が「業務報告書」になっていることです。
「業務の詳細」は論文です。そして、論文とは主張と根拠を書くものです。報告書は事実だけを書けば良いのです。そこが最大の違いですが、それが理解されていないようです。
業務詳細で書くべきことは、業務上の課題を達成するために、問題点をどう見つけどう考えて解決に導いたかです。
31年度の受験で技術士を目指す皆さん、それを忘れないで下さい。
匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。