TwitterやPodcastをはじめ、幅広く英語学習について発信されているTOEIC対策講座の早川幸治先生。情報発信のみならず、企業研修に登壇されたり自主開催の講座を展開されるなど、多方面で活躍中の早川先生ですが、実は英語も人前に立つのもものすごく苦手だったといいます。苦手なことをどう克服されたのか、またスタディングにどのような経緯でジョインされることになったのか、じっくりとお話を伺いました。
そうなんですよ。高校2年生くらいまでは本当に英語ができなかったんです。当時自分の中で検定ブームが来ていて、日本漢字能力検定や日商簿記検定、電卓計算能力検定などさまざまな検定を受けていました。その流れで英検も受けてみたんです。「どの級を受けようか」と考えたときに、5級は中学1年生レベルなので高校生の自分が受けるのはちょっと恥ずかしい、3級は問題集を見てもまったく理解できない。なので、5級と3級の間の4級を受けました。でも、全然歯が立たず落ちてしまったんです。当時の英語力では、おそらく5級を受けても受かっていなかったと思います。
英検4級に落ちたあと、高校2年の2月頃に急に英語に興味を持ち始めたんです。そこで、高校卒業後は英語の専門学校に入って、2年間みっちり英語の勉強をしました。ちょうどその頃にクリントン大統領がスピーチする姿をテレビで見て、「この人の英語キレイだな」とスピーチに聞き入っていました。その影響でスピーチコンテストにも挑戦したんですよ。そうしているうちに、国際関係にも興味を持つようになり、専門学校卒業後は大学に進学して国際関係学を学びました。 卒業間近になって就職先を考えたときに「いつか英語教育に関わりたい」とは思いながらも「一般企業で働く経験もしておきたい」と考え、当時注目をされていたIT業界でSEの仕事に就きました。でも、入社早々に「ここでプロになりたいという気持ちにはなれない。やはり英語教育の仕事がしたい」と悟ってしまい、「留学し、英語教育を学ぼう」と思い立って1年で退職。ただ、留学にはやはり先立つものが必要です。そこでアルバイトを探していたときに、たまたま家の近くで英会話スクール講師の求人広告を見つけてすぐに応募。その後無事採用され、晴れて英語教育のスタートラインに立てたのです。
英語も苦手だったんですが、それ以上に人前で話すこともものすごく苦手でした。当然ながら最初は教え方も声の出し方も全くわかりません。ほかの先生に教え方を教わりながら、試行錯誤していました。 看護師の専門学校でも英語を教えていた時期があったのですが、自分の教え方がこれでいいのか確認したくて、アンケートを取りました。回答を見ると「旅行の話が楽しかった」「勉強になります」など当たり障りのないコメントが続いたのですが、最後の1枚に「教え方がヘタです」と書かれていたんです。その日は、どうやって家に帰ったか全く覚えていません。「自分に教える仕事は向いていないんだ。もう辞めようかな」とも思いました。 そこで気づいたのが「苦手は憧れの裏返し」ということです。僕はほかにもたくさんできないことがありますが、苦手意識は全くといっていいほど感じません。一方、英語や人前で話すことは強烈に苦手意識を感じるんです。苦手意識を感じるということは、それだけ「本当はできるようになりたい」という気持ちがあるから。だから、苦手を憧れに変えて取り組めば、楽しみながら上達できるのではないか」と気づいたんです。そこから意識が変わりましたね。
過去を振り返ってみれば、英検4級に落ちた後に英語ができるようになったのは、クリントン大統領や映画俳優のジム・キャリーをモデルに徹底的に真似をしていたからだと気づきました。なので、まず「話し方を上達させるためにはモデルが必要だ」と思い、さまざまな講演会や選挙演説に足を運んで、話を面白く感じた話者がいればその理由を分析しました。そこから得た要素を授業に取り入れていくと、徐々に授業に耳を傾けてくれる生徒さんが増えていきました。結果も出始めて、感謝されるようにもなりました。そうして、やっと「教えることが楽しい」と感じるようになったんです。
小さな英語教室や大手英会話スクールなどで6年ほど教壇に立っていました。その後、通信講座のアルクの方から「TOEIC®テスト スコアアップ指導者養成講座が今度あるから受けてみないか」と声をかけていただきました。たまたま講座の開催日の予定が空いていたので参加してみたんですが、それがものすごく面白かったんです。それぞれのパートの出題傾向を分析するのも面白かったですし、教えた成果がスコアという形で目に見えるのもいいなと感じました。スコアが上がらず困っている人も多く、「お役に立てるのではないか」とも思ったことも、TOEICを教えることに興味を持った理由のひとつです。そのあたりから、だんだんTOEIC講座を受け持つことが増えていきました。
アルクさんからの紹介です。今から2年ほど前に、アルクさんが通信講座のDX化を目的に提携先を探していて、スタディングに声をかけたそうです。当時、スタディングには英語講座のコンテンツはまだない頃。英語講座を自社開発するのも大変なので、アルクと提携することになったと聞いています。 ただ、アルクの通信講座はほとんどが音声のみなので、スタディングらしさを出すために、講師の授業をプラスすることが必要でした。そこで僕に白羽の矢が立ち、アルクさんにつないでいただく形でスタディングにジョインした、というわけです。
ビジネスシーンでどんな英語表現がどう使われてるかがわかりやすいので、社会人向けの英語のテストとしては魅力的だと思いますね。たとえば、「オフィスでコピーを○枚取りました」「この仕事をしていただけませんか」のような、ビジネスで日常的に交わされる会話の内容がよく出てきます。パートが7つに分かれていて、写真を見ながら会話を聞いて4択で答えるものや、長文を読んで答えるものもあります。TOEICでハイスコアが取れれば仕事でも英語が使えるようになる、というわけではありません。しかし、英語学習を通して細かい知識を身につけたりスキルを高めることができる、という意味では、学習もしやすく良質なテストだと思います。
将来英語を使った仕事をしたい、もしくは英語を仕事やミーティングで使う予定がある方、英語圏に海外出張に行くかもしれない方にはぜひおすすめしたいですね。企業の人事担当者はTOEICのスコアで判断することに慣れていて、企業で昇進や入社の条件になっているところも多いので、そういう企業に在籍している方や就職・転職を希望している方も勉強されるといいと思います。 今すぐに英語が必要だという方は、TOEIC講座よりも英会話スクールなどでカスタマイズされた講座を利用したほうがよいでしょう。しかし、「英語をどのように使うかわからないけれど、いずれ使う可能性がある」という方は、TOEICのような一般的なビジネスシーンが出てくるテストで学習しておけば、いざ英語を使う場面になったときに役に立つと思います。
②TOEIC講座の魅力 |
早川幸治講師・プロフィール
TOEIC講師。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役 IT企業から英会話講師に転身し、これまで全国170社以上、のべ30,000人以上の企業研修や大学での指導を担当。 TOEICの傾向を押さえた効率的なスコアアップの指導メソッドに定評がある。 |
TOEIC®L&Rテスト対策法を分かりやすく解説! |
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