この度、司法書士試験に合格することができました。
膨大な学習範囲と対峙する中で、私が最も苦労し、同時に最も重要だと痛感したのは、「いかに学習を継続するか」という仕組み作りでした。
法律知識の習得以前に、日々の努力を途切れさせないための試行錯誤が続きました。
私が実践した学習継続のための具体的な「仕組み」について、2つのポイントに絞ってご紹介します。
1. モチベーション:「昨日」を断ち切るリセット術
長期にわたる受験生活では、必ずスランプや「どうしても勉強できない日」が訪れます。最大の敵は、その翌日に「昨日やらなかった」という罪悪感から自己嫌悪に陥り、学習習慣そのものを崩壊させてしまうことでした。
そこで私は、意識的な切り替えを徹底しました。
勉強できなかった日の翌朝は、「昨日の自分は忘れる」。
今日からまた新しくスタートする。
「昨日できなかった分を取り戻そう」と無理な計画を立てることはしません。
それは高い確率で失敗し、さらなる自己嫌悪を招くからです。
重要なのは、過去を悔やむことではなく、ただ淡々と「今日やるべきこと」を再開すること。
この「リセット意識」が、モチベーションの波に飲まれず、学習を継続するための生命線となりました。
2. 学習方法:体系化された「幹」と「フィードバック」
司法書士試験の学習は、各予備校や教材によって効率的なカリキュラムが体系化されています。私はまず、その体系化された学習の流れを信じ、愚直に実行することを基本方針としました。
ただし、インプットを進めるだけでは知識は定着しません。学習効果を最大化するために、以下のサイクルを意識しました。
* 実行(Do):体系化されたカリキュラム(テキスト・講義)に従い、学習を進める。
* 確認(Check):模試や答練(アウトプット)を受け、自分の苦手分野・理解不足の箇所を明確にする。
* 改善(Action):苦手分野が判明したら、決して放置せず、該当箇所の動画やテキストの基本に立ち返って復習する。
「先に進みたい」という焦りを抑え、基本に戻ることを恐れない。この「インプット → アウトプット → フィードバック(復習)」のサイクルを回し続けることが、合格への最短距離であったと感じています。
おわりに
司法書士試験は、才能や記憶力以上に、「正しい努力を継続できるか」が問われる試験です。もし今、学習の継続に悩んでいる方がいらっしゃれば、まずは「続けるための仕組み」をご自身なりに確立することから始めてみてください。
この体験記が、これから受験される皆様の一助となれば幸いです。

岩田剛知さん
司法書士
2025年合格
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