■診断士の学習を始めたきっかけ
学習を始めたのは2022年の1月24日。今でも覚えていますし、今後忘れることはないでしょう。
当時働いていた第三セクターにて、不景気から新規事業として「地方企業のコンサルティング事業」が始まろうとしていました。しかし、事業を推進するコア人材にコンサルティングの経験を持つものがおらず、また社内での教育体制・組織体制も確立していませんでした。
そのような状況下で事業を始めても、顧客から信頼を得られるとは思えず、また顧客に迷惑をかけるだけだと感じ前向きにとらえられていませんでしたが、一方で私自身も35歳を過ぎ、今後の生き方について考えているタイミングでした。
そんなとき、たまたま息子の寝かしつけで見てたスマホにスタディングの広告が。
普段はすぐ消すのですが、無性に気になり、無料体験コースも即受講。
顧客の需要に応えられる人になろうと思い立ち、学習を始めました。
■一次の学習に使用した教材と勉強法について
一次はスタディング+他社教材のみ。
一次は暗記+繰り返し学習が効果的で、単純に学習時間が点数に比例すると感じます。(75点くらいまでですが)
そのため学習時間をKPIに設定し、一日2-3hを目安に、AIによって生成されたスケジュールを若干前倒しするくらいのペースで進めました。
テキストはほぼ読まず、動画+問題&解説理解ばかりやっていました。忘却曲線に抗うように、一度解いた問題は1週間後、3週間後、1か月後と解くようにしてました。
一次受験近くのタイミングでAIによる出題機能が導入されましたので、今はより効率良い学習ができるかと思います。
他社教材は中小企業経営・政策を覚えるために使用。この科目は毎年情報が更新されるため、過去問よりもスタディングの問題を中心に暗記する方が効率が良いです。
過去問はタイムスケジュールを把握するために1回、スタディングの模試も1回と計2回受けています。
結果、学習1年目で450点ほどを取得し、一発合格できました。
■二次の学習に使用した教材と勉強法について
二次は2回目での合格となります。1年目は手探りでふぞろいを利用していたものの、キーワードの羅列に留まり、AACBで不合格。事例Ⅲは一番苦手で設問1つ空白の45点でした。
自身とSNSにて繋がった診断士の師匠と分析を行った結果、(1)事例企業が目指す成長戦略を理解していない、(2)企業の課題を解決するための施策の方向性を理解していない、の2点が主な敗因だと分かりました。
そのため、2年目もふぞろいは使いつつも、徹底して事例企業の成長戦略の分析と施策の方向性の洗い出しを実施。事例Ⅰ~ⅢについてはH13年から約20年分を繰り返し行いました。
さらに、解答の妥当性を強調するために設問との因果に沿った解答作成を練習。こちらは10月入ってからの直前期での対応でしたが、効果覿面でした。
なお、事例Ⅳについては市販の問題集+資格学校の事例Ⅳ問題集のみを解いただけで、過去問は通しで解いていません。簿記2級程度の知識があると勉強しやすいかと思います。
結果としてABABで合格。昨年最低点だった事例Ⅲはまさかの75点と最高点でした。
■学習時間の確保について
一次はスタディングで気軽に勉強できたため、早朝と就寝前のベッドや、入浴しながらなどリラックスして臨める環境にて勉強していました。
財務会計だけはノートが必要なので昼休みや休日に集中して勉強。
二次は1年目は早朝に1事例解き、夜にふぞろい確認+復習としていましたが、身体への負担が大きく、しかも結局解答手順が身に付かず、本番は焦るのみでした。
そのため2年目は解答手順を整理し、自身の中で以下のように分解しました。
手順1:与件の冒頭と最終段落の読み込み+設問の解釈
手順2:与件文の読み込みと情報整理
手順3:キーワードの洗い出し+解答の下書き
手順4:解答の清書
手順1-3までで50~55分で終わらせると決め、手順4は30~35分ほど余裕を持たせてあります。
詳しくは後述しますが、手順1-3を経ての手順4の解答作成です。
1-3が出来てないのに解答を作ろうとしても効率が悪いと判断し、8月ごろまでは徹底して1-3ばかりを行っていました。
9月に入ってからも朝に手順1-3、夜に手順4と復習という形を取ったため、身体への負担も少なく済み、学習効率も向上しました。
このやり方は、忙しい方にこそお勧めいたします。
■二次の解答手順
診断士試験の二次において、とても重要なポイントがあります。
それは、与件文だけでなく設問からも企業の情報が拾えること。そして、設問は「企業の成長戦略を実現するために必須の施策」であるということです。
手順1で、与件の冒頭と最終段落より企業の業種や規模、望む方向性(成長戦略)を把握します。
また、設問の解釈では『設問=成長戦略の実現に必要なこと』として分析することにより、解答の大まかな方向性が決まります。
(このタイミングで、問題や課題となりそうなこと、その施策の方向性などを頭に思い浮かべられるようになっている必要があります)
手順2では、手順1で「成長戦略」と「各設問」の情報が頭にはいっているため、それらを前提に与件文の分析を行います。
段落ごとにストーリーがありますので、強み・弱みだけでなく、外部環境の変化なども整理しながら与件を読み込んでみてください。惑わされそうな情報は何かしらメモすることを勧めます。
手順3では、手順1の成長戦略を頭に入れた上で、手順2で整理した情報を元に、各設問へキーワードを振り分けていきます。キーワードの羅列による下書きで十分です。
なお、手順1での事例企業の成長戦略の方向性の把握が甘いと、ここでトンチンカンな解答を書くことになります。手順1がとっても大事。
手順4は、手順3で洗い出した解答の下書きを文字数に合わせて整えながら書くだけです。
設問と因果になっているような解答作成を心がけてください。(例:設問で「~となった理由は?」とあれば、解答は設問の「~(果)」に至る"因"を書く)
■これから学習を始められる方へ
私は師匠の下で実務に従事して登録する予定ですが、すでに多くの事業者様や、色々な診断士の方を紹介いただいています。
その中で感じるのが『診断士ほど人と力を合わせて活動できる士業はないな』ということです。
中小企業診断士は、他の士業と違い独占業務がありません。(R6年1月時点)
また、取り扱う業務の幅はとてつもなく広く、他の診断士とスキルや知識、経験が完全に被ることも(ほぼ)ありません。
だからこそ、自身の経験や知識を強みとして差別化し、他の診断士や士業と連携して、顧客の課題に対して全力で向き合うことができるのです。
事業者様一人では抱えられない問題も、二人・三人と仲間が増えれば抱えられるようになります。
これは、私たち診断士も同じこと。
"独占"よりも"分かち合う"ことで大きな仕事をしていきたい方には、とてもお勧めの資格だと思います。
なかむさん
中小企業診断士
2023年合格
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