司法試験・予備試験のQ&A
胎児の当事者能力について質問させてください。 下記2つの問…
胎児の当事者能力について質問させてください。
下記2つの問題解説について、整合性の考え方がわからないので、教えていただければ幸いです。
民法721条についての判例は停止条件説をとっているので、下記民法の解説「不法行為による損害賠償についても胎児の間は法律行為の当事者たることはできない」の通りになるかと思います。
一方、民訴の過去問解説においては、「不法行為に基づく損害賠償請求権を訴訟物とするときは、胎児であっても当事者となることができます。」という説明がされています。
この二つの解説の整合がとれていないように感じますので、ご教示いただければ幸いです。
<民法>
問題 10 胎児【令和5年 司法第1問】
エ 誤り
民法721条は、「胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなす。」としていることから、胎児の両親は、出生前に胎児を代理して加害者に対し損害賠償請求をすることができるようにも思えます。
しかし、鉄道会社Aが事故によって作業員Xを死亡させ、Xの内縁の妻Cの胎児Bの分をも含めて、Xの親族が会社Aと示談(訴外和解)したという事案で、判例は、721条の規定は、胎児が後日出生した場合に、出生の日を不法行為の当時に遡求させる意味の擬制的な規定に過ぎず、不法行為による損害賠償についても胎児の間は法律行為の当事者たることはできないとして、胎児の親族のした和解の効力を否定しています。
この判例の趣旨に従えば、胎児の出生前に、胎児の両親が胎児を代理して加害者に対し損害賠償請求をすることはできないといえ、記述エは誤っています。
<民訴>
問題 1 当事者【平成26年 司法第57問、予備第31問】
3 正しい
当事者能力は民法その他の法令に従い(28条)、権利能力は出生により取得するところ(民3条1項)、胎児は損害賠償の請求権については既に生まれたものとみなされるので(民721条)、不法行為に基づく損害賠償請求権を訴訟物とするときは、胎児であっても当事者となることができます。
したがって、記述3は正しいといえます。
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