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スマート問題集-民法24 物権(4) 明認方法、占有権 問題…

スタディング受講者
質問日:2024年5月11日
スマート問題集-民法24 物権(4) 明認方法、占有権
問題3の解答についての質問

問題 3
AはBから借金をし、その担保として、A所有の甲不動産にBのために抵当権を設定した。その後、AはCからも同様に借金をし、Cのために抵当権を設定した。そして、AはCに甲不動産を売却した。

このとき、Cの抵当権は混同によって消滅する。

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  解答:○
混同は、所有権及び他の物権が同一人に帰属したとき、その他物権が消滅することをいいます(179条1項)。これは、そのような他物権を存続させる意味が無いことから規定されたものであるため、第三者の権利の目的であるようなときは消滅しないことになります(179条2項)。

設問において、甲不動産にはBの1番抵当、Cの2番抵当がついています。

設問とは異なり、仮に甲不動産をBが取得した場合、Bには、甲不動産を換価した際にCに先んじて弁済を受けられるという利益があるため、Bの抵当権を存続させる意味があり、Bの抵当権は消滅しないことになります。

他方で設問のように、甲不動産を、最も後順位である抵当権を有するCが取得した場合、その抵当権を残しておく意味は無くなります。したがって、このような場合、Cの抵当権は混同によって消滅します(大判S4.1.30)。

 最も後順位の抵当権を有するCの場合、抵当権を残しておく意味が無くなるので混同によって消滅するとしていますが、疑問があります。

 例えばA所有の甲不動産(1番抵当権者B:担保債権額1000万円、2番抵当権者C:担保債権額2000万円)を2番抵当権者Cが2000万円で売買により所有権を移転した場合、Cは自らの抵当権で担保されている債権額の半分の1000万円分しか確保できていません。
 この状況で混同により抵当権が消滅すると、残りの1000万円の債権は無担保債権(一般債権)になり、他の一般債権者と同列の劣後債権になる不利益を受けることになると考えます。

   そのような観点から、この設問の解答は〇とは言えないと考えますが、いかがでしょうか。
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回答

漆原 講師
公式
回答日:2024年5月11日
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