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スマート問題集-刑法64 背任罪(その1) 問題 4 につ…

スタディング受講者
質問日:2023年2月13日
スマート問題集-刑法64 背任罪(その1)
問題 4
について質問します。
問題文を読む限りでは、判例と類似の事案と判断する内容が見当たりません。

判例では、銀行の名前であっても実質的には個人が貸し出していることから横領と判断することはわかるのですが、問題文にはそうした情報が皆無であるため、背任罪と判断するのが妥当だと思いました。
問題文から、横領と判断する根拠を教えて下さい。

○問題文
甲はV銀行の融資に関する決定権限を持っていたところ、銀行の規約上融資を受ける資格の無い乙に対し、融資を受けられる資格ある者に貸付けるもののように貸出伝票を偽装して、貸主をV銀行として、乙に貸し付けた。判例の趣旨によると、甲には横領罪は成立せず、背任罪が成立する。



○解説
横領罪と背任罪の区別の問題です。判例通説によると、横領罪が成立する場合には背任罪が成立しないと解されているといえます。

多くは銀行融資についての事案があり、本人(銀行)の名義・計算で行われた場合には背任罪(のみ)が成立し、自己(被告人)の名義・計算で行われた場合には横領罪が成立するという傾向にあります。もっとも、形式的には本人名義であったとしても、それが権限を逸脱した行為であった場合には、たとえば融資の事例だと、実質的にみるといったん銀行から横領し、それを貸し出したのと同視できるため、横領罪が成立する場合もあります。

設問類似の事案において、判例は横領罪が成立するとしています。したがって、設問は誤っています。
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回答

漆原 講師
公式
回答日:2023年2月13日
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