1級建築士試験 過去問解説 -構造-建築物の耐震設計【2015(H27)年 No.24】

問題

 建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。


  1. 地震力を算定する場合に用いる鉄骨構造の建築物の設計用一次固有周期(単位 秒)は、建築物の高さ(単位 m)に0.03を乗じて算出することができる
  2. 建築物の保有水平耐力を算定する場合、炭素鋼の構造用鋼材のうち、日本工業規格(JIS)に定めるものについては、材料強度の基準強度を1.1倍まで割増しすることができる。
  3. 水平力を受ける鉄筋コンクリート構造の柱は、軸方向圧縮力が大きくなるほど、変形能力が小さくなる。
  4. 「曲げ降伏型の柱・梁部材」と「せん断破壊型の耐力壁」により構成される鉄筋コンクリート構造の保有水平耐力は、一般に、それぞれの終局強度から求められる水平せん断力の和とすることができる。

解答・解説

解答:4

1.〇

地震力を算定する場合に用いる鉄骨構造の建築物の設計用一次固有周期(単位 秒)は、記述の通り、建築物の高さ(単位 m)に0.03を乗じて算出することができる。

鉄骨構造の建築物の設計用一次固有周期T(単位 秒)は、建築物の高さh(単位 m)に0.03を乗じて算出する。
T=h(0.02+0.01α)で計算され、鉄骨構造ではα=1のため、設問の通り、高さhに0.03を乗じて算出する。

2.〇

記述の通り、建築物の保有水平耐力を算定する場合、炭素鋼の構造用鋼材のうち、日本工業規格(JIS)に定めるものについては、材料強度の基準強度を1.1倍まで割増しすることができる。

保有水平耐力の算定において、JIS規格品の鋼材を使用する場合、告示により、「材料強度の基準強度を1.1倍以下の割増し」が認められている。

3.〇

水平力を受ける鉄筋コンクリート構造の柱は、記述の通り、軸方向圧縮力が大きくなるほど、変形能力が小さくなる。

水平力を受ける鉄筋コンクリート構造の柱は、軸方向圧縮力が大きいほど、圧縮側の破壊により急激な耐力低下を生じ靭性すなわち変形能力は小さくなる

4.×

曲げ降伏型の「ラーメン」と、せん断破壊型の「耐力壁」の保有水平耐力は、変形性能が大きく異なる

これらの混構造では、「耐力壁」が先に終局に達し耐力が低下する。そのため、「ラーメン」と「耐力壁」の終局時の水平せん断力の和とできない

よって、記述内容は「不適当」である。

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