問題
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。(法改正より、選択肢3を変更)
- 木造、延べ面積400m2、地上2階建ての共同住宅を新築する場合においては、当該建築主は、検査済証の交付を受ける前においても、指定確認検査機関が安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたときは、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
- 地上3階建ての百貨店(3階における当該用途に供する部分の床面積の合計が1,600m2のもの)の大規模の修繕の工事で、避難施設等に関する工事の施工中において建築物を使用する場合においては、当該建築主は、仮使用の認定に加え、あらかじめ、工事の施工中における建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。
- 延べ面積200m2、地上3階建ての事務所の敷地、構造及び昇降機以外の建築設備等については、当該所有者(所有者辻管理者が異なる場合においては、管理者)は、定期に、一級建築士若しくは二級建築士または建築物調査員若しくは建築設備等検査員に、その状況を調査又は検査をさせてその結果を特定行政庁に報告する必要はない。【改題】
- 建築物の用途の変更についての確認済証の交付を指定確認検査機関から受けた場合においては、当該建築主は、建築物の用途の変更に係る工事が完了したときは、当該指定確認検査機関に届け出なければならない。
解答・解説
解答:4
- 〇
【法第7条の6第1項】第6条第1項第一号から第三号までの建築物を新築する場合(略)においては、当該建築物の建築主は、(略)検査済証の交付を受けた後でなければ、(略)建築物若しくは建築物の部分を使用し、又は使用させてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
【同条同項第二号】建築主事(略)が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたとき。
設問の共同住宅は第6条第1項第一号に該当する。法第7条の6第1項第二号より、指定確認検査機関が(略)認めたときは、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。 - 〇
【法第90条の3】別表第一(い)欄の(1)項、(2)項及び(4)項に掲げる用途に供する建築物(略)の新築の工事又はこれらの建築物に係る避難施設等に関する工事の施工中において当該建築物を使用し、又は使用させる場合においては、当該建築主は、(略)あらかじめ、当該工事の施工中における当該建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。
【令第147条の2第一号】法第90条の3(略)の政令で定める建築物は、次に掲げるものとする。
(第一号)百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗(床面積が10m2以内のものを除く)又は展示場の用途に供する建築物で3階以上の階又は地階におけるその用途に供する部分の床面積の合計が1,500m2を超えるもの。
設問の百貨店は、別表第一(い)欄の(4)項に掲げる用途に供する建築物で、地上3階建てで3階の床面積の合計が1,600m2のものである。そのため、あらかじめ、工事の施工中における建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出る必要があり、施工中に建築物を使用する場合は仮使用の認定が必要である。 - 〇
【法第12条第1項】(略)当該政令で定めるもの以外の(略)政令で定める建築物(略)で特定行政庁が指定するもの(略)の所有者(略)は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、(略)定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は(略)「建築物調査員」(略)にその状況の調査(略)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
【令第16条第2項】法第12条第1項の政令で定める建築物は、令第14条の2に規定する建築物とする。
【令第14条の2】(勧告の対象となる建築物)
法10条第1項の政令で定める建築物は、次に掲げるものとする。
【同条第二号】(勧告の対象となる建築物)
事務所その他これに類する用途に供する建築物(略)のうち階数が3以上で延べ面積が200m2を超えるもの。
設問の事務所(延べ面積200m2、地上3階建て)は、令第14条の2第二号に該当しないため、定期調査検査・報告を行う必要はない。 - ×
【法第7条第1項】建築主は、第6条第1項の規定による工事を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。
【法第87条第1項】建築物の用途を変更して第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(略)においては、同条(略)の規定を準用する。
この場合において、第7条第1項中「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えるものとする。
設問の「建築物の用途の変更についての確認済証の交付を指定確認検査機関から受けた場合」は、法第7条第1項および法第87条第1項により、用途変更の工事が完了したときは、「当該指定確認検査機関」ではなく、「建築主事」に届け出なければならない。