問題
音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 自由音場において、全指向性の点音源(指向性のない点音源)からの距離が1mの点と2mの点との音圧レベルの差は、3dBとなる。
- 防音塀は、音の回折による減衰を利用するものであり、一般に、低音域よりも高音域の遮断に有効である。
- 学校の普通教室においては、平均吸音率が0.2程度となるように、吸音対策を施すことが望ましい。
- 音の強さのレベルを20dB下げるためには、音の強さを1/100にする。
解答・解説
解答:1
1.×
自由音場において、全指向性の点音源(指向性のない点音源)からの距離が1mの点と2mの点との音圧レベルの差は、6dBとなる。
よって、記述内容は「不適切」である。
自由音場とは、「音の反射のない空間」のことである。
音源からの距離が2倍になると約6dB減衰する、と覚えましょう。
2.〇
防音塀は、記述の通り、音の回折による減衰を利用するものであり、一般に、低音域よりも高音域の遮断に有効である。
低周波音ほど音が回り込む回析現象が起こりやすく、高周波音ほど直進性があるため、防音塀による音の減衰は、「低周波音よりも高周波音に有効」である。
3.〇
学校の普通教室においては、記述の通り、平均吸音率が0.2程度となるように、吸音対策を施すことが望ましい。
学校施設に求められている音響基準については下記の通り。
1)普通教室:平均吸音率0.2程度(残響時間0.6秒)
2)特別教室:平均吸音率0.2程度(残響時間0.7秒)
3)体育館:平均吸音率0.2程度(残響時間1.6秒)
4)音楽練習室(ブラスバンド):平均吸音率0.25程度(残響時間0.6秒)
5)視聴覚室:平均吸音率0.3程度(残響時間0.4秒)
※中庸な響き:平均吸音率0.2程度
※短めの響き:平均吸音率0.25~0.3程度
※長めの響き:平均吸音率0.15程度(合唱や楽器の音楽練習室など)
4.〇
記述の通り、音の強さのレベルを20dB下げるためには、音の強さを1/100にする。
音の強さレベルについては、しっかり覚えましょう。
音の強さが1/10 → 10dB下がる
音の強さが1/100 → 20dB下がる