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スタディング 技術士講座

『論文の教室 レポートから卒論まで』を参考に論文の書き方

2025/10/02


詳細要約:戸田山和久 著『論文の教室 レポートから卒論まで』


本書は、哲学者である戸田山和久氏が、大学のレポートから卒業論文に至るまで、学術的な文章(アカデミック・ライティング)を作成するための思考法と技術を、極めて実践的かつ体系的に解説した一冊である 。著者は、論文執筆を単なる文章作成術ではなく、知的な共同体に参加するための「知のゲーム」と捉え、そのルールと必勝法を伝授するというユニークな視座から、学生が陥りがちな罠とその回避策を具体的に示している 。


はじめに:論文とは「知のゲーム」への参加である

著者はまず、レポートや論文が、読書感想文や高校までの作文とは根本的に異なるものであることを強調する 。感想文が個人の主観的な感動を表現するものであるのに対し、論文は「公共的な知の体系」に新たな知見を付け加えることを目的とした、客観的で論証的な営みである 。それは、先人たちが築き上げてきた知の共同体(アカデミズム)という「ゲーム」に参加し、ルールに従って新たな「手」を指す行為にたとえられる 。このゲームの目的は、読者を論理的に説得し、自らの主張を客観的な知として認めてもらうことにある 。したがって、論文執筆とは、このゲームのルールを学び、それに則って思考し、表現する知的訓練なのである 。


第一部:よい論文の二大原則

著者は、優れた論文には分野を問わず共通する、二つの絶対的な条件があると断言する 。本書で解説されるすべての技術は、この二大原則を実現するためにある 。

原則1:問いが明確で、それにきちんと答えていること

優れた論文は、必ず明確な「問い」から始まる 。そして、論文全体が、そのただ一つの「問い」に答えるためだけに構成されていなければならない 。論文の主張(=答え)と問いが、一対一で対応していることが不可欠である 。多くの駄目なレポートは、壮大な「テーマ」を掲げるだけで、具体的な「問い」が設定されていないため、結局何が言いたいのかわからない散漫な文章になってしまう 。

原則2:議論のすじ道が明快であること

論文は、読者を「問い」から「答え」へと迷わせずに導く、明快な論理の道筋を持っていなければならない 。たとえ主張が正しくても、その論証の過程が分かりにくければ、読者を説得することはできない 。著者は、この論理的な構造を「議論のすじ道」と呼び、これこそが論文の生命線であると繰り返し強調する 。


第二部:論文作成の具体的ステップ

著者は、上記の二大原則を実現するための具体的なプロセスを、段階を追って丁寧に解説する 。

ステップ1:「問い」を立てる

最も重要で創造的な作業 論文執筆の成否は、いかに優れた「問い」を立てられるかにかかっている 。著者は、漠然とした関心(テーマ)から、具体的で答えうる「問い」へと絞り込むプロセスこそが、最も知的で創造的な作業であると説く 。

良い問いの条件は、「面白くて」「独創的で」「答えられる」ことである 。先行研究を調べる中で、まだ誰も答えていない、あるいは既存の答えに納得できない論点を見つけ出し、「なぜ〇〇は△△なのか?」といった具体的な疑問文の形にすることが求められる 。

ステップ2:「答え」を出す

論文の核となる主張の明確化 明確な「問い」が立てば、次に行うべきは、その問いに対する自分なりの仮説、すなわち「答え」を出すことである 。この「答え」が、論文全体の中心的な主張(テーゼ)となる 。論文の目的は、この「答え」が妥当であることを、読者に対して論証することに他ならない 。

ステップ3:議論のすじ道を組み立てる

アウトライン(骨格)の作成 本文を書き始める前に、必ず論文全体の設計図、すなわち「アウトライン(骨格)」を作成しなければならないと著者は強く主張する 。アウトラインとは、「議論のすじ道」を箇条書きで可視化したものであり、以下の要素を含む 。

  • 序論: 背景を説明し、「問い」を提示する 。
  • 本論: 「答え(主張)」を支えるための複数の論拠(サブ主張)を立て、それぞれをどのような順番で論証していくかを示す 。
  • 結論: 全体の議論を要約し、改めて「答え」が妥当であることを確認する 。

この骨格作りを疎かにして書き始めると、議論が迷走し、論理的な一貫性を失ってしまう 。

ステップ4:議論のすじ道を肉付けする

パラグラフ単位での執筆 強固なアウトラインが完成して初めて、本文の執筆(肉付け)に取り掛かる 。著者は、論理的な文章の基本単位は「パラグラフ(段落)」であると説く 。

  • 一パラグラフ一トピックの原則: 一つのパラグラフでは、一つの中心的なアイデア(トピック)だけを扱う 。
  • トピック・センテンス: 各パラグラフの冒頭には、そのパラグラフで言いたいことを要約した「トピック・センテンス」を置く 。
  • 支持文(サポート): トピック・センテンスに続く文は、すべてその主張を補強するための具体例、データ、論理的な説明でなければならない 。

このパラグラフ・ライティングの原則を守ることで、文章全体の「議論のすじ道」が明快で読みやすいものになる 。

ステップ5:アカデミック・ライティングの作法を守る

最後に、著者は「知のゲーム」の参加者として守るべき、基本的な作法(エチケット)について解説する 。

  • 引用の重要性: 先行研究や他者の意見を参照する際には、必ず出典を明記し、「引用」しなければならない 。これは、先人への敬意を示すと同時に、自分の主張が学問的な文脈のどこに位置づけられるのかを読者に示すための重要な手続きである 。
  • 剽窃(ひょうせつ)の厳禁: 他者のアイデアや文章を、出典を示さずに自分のものとして使う「剽窃」は、学問の世界における最も重い罪であり、絶対に避けなければならない 。
  • 客観的な表現: 「~と思う」といった主観的な表現を避け、「~と考えられる」「~と結論できる」のように、あくまで客観的な論証に基づいた記述を心がける 。


結論:思考の訓練としての論文執筆

本書が提示する論文作成術は、単に体裁の良いレポートを書くための小手先の技術ではない 。それは、「テーマ」から「問い」を生み出し、仮説としての「答え」を立て、それを客観的な根拠で論証し、他者を説得するという、知的生産の最も根幹をなすプロセスそのものである 。著者は、このプロセスを粘り強く実践することこそが、真の意味での「考える力」を養う最良の訓練であると結論づけている 。論文とは、完成した知識を披露する場ではなく、思考を鍛え、知的な誠実さを身につけ、「知のゲーム」の良きプレイヤーとなるための「教室」なのである 。


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No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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