2025/09/25
令和6年の資料ですが、文部科学省技術士分科会が公表した資料を解説します。
原本は
https://www.mext.go.jp/content/20241115-mxt_kiban0...
『技術⼠制度をめぐる現状と課題』
令和6年6⽉26⽇
科学技術・学術政策局⼈材政策課
上記です。
2024年6月26日、科学技術・学術審議会の技術士分科会で「技術士制度をめぐる現状と課題」が議論されました。今回の資料では、制度改正の経緯や、今後の制度改革の方向性が整理されており、技術士を目指す人にとっても見逃せない内容です。
昭和32年の技術士法制定以降、制度は何度も見直されてきました。特に平成12年には大幅改正が行われ、第一次試験と第二次試験の二段階制度や技術士補制度の創設などが導入されました。背景には「国際的な整合性の確保」や「若手優秀人材の参入促進」があります。
第10期以降の技術士分科会では「IPD(初期専門能力開発)」から「CPD(継続研さん)」までを一貫して整備する仕組みが議論されています。これは、大学を出た若手技術者が社会で育成され、資格取得後も学び続けるシステムを社会全体で支えるための仕組みです。
具体的な検討事項は次のように整理されています。
IPD制度の整備・充実:若手技術者の能力開発を社会全体で支援
技術士補制度の見直し:指導技術士の制限緩和など柔軟化
試験制度の適正化:一次試験の「系」分類や外国人エンジニア受験のしやすさ改善
CPDの充実:活動実績を管理し、資質向上やAPECエンジニア資格取得へつなげる
更新制の検討:CPD実績を踏まえた資格維持の仕組み
総合技術監理部門(総監)の位置づけ明確化
国際的同等性の確保:IEAやWFEOの基準改訂に対応
資格の普及拡大:産業界や社会での活用事例を広く発信
国内外の情勢も技術士制度に影響しています。たとえば「科学技術・イノベーション基本法」では、国や産業界が連携して人材育成を進める責務が示されています。また、国際的には「SDGs」や「多様性・包摂」を意識した新たなコンピテンシーが求められています。
技術士制度は、単なる試験制度ではなく「生涯を通じて技術者を育て、社会で活躍してもらうための仕組み」へと進化しつつあります。若手育成、国際基準との整合性、資格の社会的認知度向上など、多くの課題はありますが、それだけに制度は時代の要請に応じて柔軟に変化しています。
今後、技術士を目指す人にとっては「資格取得=ゴール」ではなく、「IPDからCPDまで続く成長のプロセス」を歩むことが重要になるでしょう。
![]() | 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。
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