2025/05/01
南海トラフ巨大地震 最大クラス地震における被害想定について
『南海トラフ巨大地震 最大クラス地震における被害想定について』という資料はご存じですか?
今回は、技術士試験に合格するための効果的な学習計画、試験当日の対応、そして合格を勝ち取るためのポイントについて詳しく解説します。
URLは以下
中央防災会議 防災対策実行会議
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが令和7年3月に発表した資料です。
目 次
I 被害想定趣旨等について .................................. 4
1.被害想定の目的 .................................................. 4
2.今回の被害想定の性格(巨大地震・津波と被害想定をどう捉えるべきか)
.............................................................. 4
3.今回の被害想定の構成 ............................................ 5
4.防災・減災対策の基本的な考え方 .................................. 5
Ⅱ 総括 .................................................... 6
1.全国の様相 ...................................................... 7
2.被害の大きい地域の様相 ......................................... 13
Ⅲ 項目別の被害の様相 ..................................... 20
1.建物被害 ....................................................... 24
2.屋外転倒物、落下物 ............................................. 27
3.人的被害 ....................................................... 28
4.ライフライン被害 ............................................... 41
5.交通施設被害 ................................................... 65
6.生活への影響 ................................................... 82
7.災害廃棄物等 .................................................. 110
8.その他の被害 .................................................. 112
9.経済的な被害 .................................................. 154
10.地域特性に応じた被害シナリオ ...........................163
内容をポイントだけ要約します。
1.被害想定の目的と性格
南海トラフ巨大地震に関する今回の被害想定は、以下のような意図で策定されています。
■目的:
・巨大地震と津波による被害の「全体像と規模の把握」。
・国や自治体が立案する防災・減災施策(地震防災戦略、応急対策活動要領等)の基礎資料として活用。
・国民に防災・減災の必要性と効果を「見える化」し、理解を深める。
■ 想定の性格:
・科学的知見に基づく「最大クラスの地震」を前提。
・発生頻度は極めて低く、「千年に一度」あるいはそれ以上の低頻度。
・「想定外をなくす」という東日本大震災からの教訓を踏まえた設計。
・地震の規模にかかわらず、対策を講じることで被害は大幅に軽減可能。
2. 防災・減災対策の基本的な考え方
• 地震動や津波高は最大クラスを前提とし、防災対策の最大限の強化を目指す。
• ただし、全ての被害をゼロにすることは非現実的であり、「命を守る」ことに主眼を置く。
• ソフト(避難計画、意識啓発など)とハード(津波避難施設、土地利用制限など)の統合的な対策が不可欠。
• インフラや企業、地域、個人がそれぞれの役割を認識し、備える必要がある。
3.全国的な被害の様相(発災直後~1週間後)
南海トラフ巨大地震が発生した際に、全国規模で起こる被害の概要は以下の通りです。
■建物・人的被害:
・揺れによる全壊:約61万棟~127.9万棟。
・津波による全壊:約16.1万棟~20.8万棟。
・死者数:最大で約29万人にのぼる可能性(建物倒壊+津波+火災)。
・要救助者:最大で約38万人。
■ ライフライン:
・電力:最大約2,950万軒が停電。西日本では供給力が半減。
・水道:最大約3,690万人が断水。
・ガス:最大約175万戸で供給停止。
・通信:固定・携帯電話が90%規制され、通話不可エリアが発生。
■ 交通:
・高速道路、新幹線、在来線の全線が一時不通。
・本四連絡橋の2ルートで通行止め。
・主要空港が閉鎖され、緊急輸送のみ運用。
・港湾機能の多くが津波により機能停止。
■ 生活・社会への影響:
・約1,000万人超が避難。
・帰宅困難者が中京・京阪神圏で約400万人。
・食料・水の不足が深刻(3日間で約2,000万食不足)。
・火葬場や棺の不足により土葬も検討される。
4.被害の大きい地域の様相
中部、近畿、四国、九州を中心に、以下のような影響が顕著とされます。
■発災直後:
・耐震性の低い建物の多数倒壊。
・津波により沿岸住宅が壊滅的被害。
・火災が多数発生するも、道路の寸断で消火不能。
・ライフラインは最大9割が停止。
・新幹線、在来線の全面停止。
■ 2日後まで:
・道路啓開が進まず、物資・人員輸送が遅延。
・携帯基地局が次々と電源喪失、不通エリアが拡大。
・ガソリン供給や商店の物流が完全停止。
・食料生産・流通が全国レベルで混乱。
■ 3日後以降:
・高速道路の仮復旧が進み、緊急輸送が開始。
・避難所の収容能力を大幅に上回る避難者が発生。
・燃料不足が深刻化し、災害対応車両の活動にも支障。
・医療・衛生対応が困難。感染症リスクや遺体管理に深刻な影響。
5.経済的な被害の概要
南海トラフ地震は、単に物的な被害だけでなく、国全体の経済活動に長期かつ深刻な影響を及ぼすとされています。
■超広域でのインフラ・ライフラインの損壊:
・電力、水、交通などの相互依存が強いため、一度壊れれば復旧が長期化。
・中京・近畿・四国を中心に甚大な影響が見込まれる。
■ 製造業・食料供給の壊滅的打撃:
・被災地域には太平洋ベルトの中枢産業が集中。
・自動車、半導体、食料加工などのグローバルなサプライチェーンに連鎖的影響。
・被災地外でも「部品が来ない」「原材料が届かない」等で操業停止が拡大。
■ 人流・物流の遮断による損失:
・東海道新幹線、名神高速などの大動脈が寸断。
・港湾・空港が機能停止し、国内外の物流に大打撃。
・輸出入の機会損失、代替輸送によるコスト負担も深刻。
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