採点者は、具体的な行動や成果に基づいて評価を行います。抽象的な言葉では、評価の基準が曖昧になり、適切な評価ができません。
独自性が伝わらない: 誰でも使えるような抽象的な言葉では、あなたの独自の考えや経験が伝わりません。具体的な言葉で表現することで、あなたのオリジナリティをアピールできます。
■具体的な言葉への言い換え例
課題の「明確化」
抽象的: 課題を明確化する。
具体的: 課題の要因を洗い出し、優先順位をつける。
例: 「〇〇システムの運用データと、過去の故障事例を照らし合わせ、故障の要因を洗い出す。次に、要因ごとの発生頻度と影響度を分析し、優先順位をつける。」
■解決策の「高度化」
抽象的: 技術を高度化する。
具体的: 最新の〇〇技術を導入し、効率を〇〇%向上させる。
例: 「最新のAI画像解析技術を導入し、不良品の検出精度を95%以上に向上させる。また、検出時間の短縮を図り、生産効率を15%向上させる。」
■具体的な記述のポイント
定量的な表現: 数値や具体的な指標を用いて、成果を示す。
行動の具体化: 何を、どのように行うのか、具体的な行動を示す。
独自性の表現: あなたの経験や知識に基づいた、具体的な解決策を示す。
■論文での具体的な記述例
課題の記述例
「〇〇システムの運用において、故障による停止時間が頻繁に発生しており、生産効率の低下が課題である。過去3年間の故障記録を分析した結果、主要な要因は△△と□□の2つであることが判明した。△△は〇〇に起因するもので、全体の60%を占めている。□□は□□が原因であり、全体の30%を占めている。」
■解決策の記述例
「上記の課題を解決するため、以下の対策を実施する。
〇〇センサーの導入: △△の原因である〇〇の劣化を早期に検知するため、〇〇センサーを導入する。センサーの検知データは、リアルタイムで監視システムに送信され、異常が発生した場合は、自動的にアラートを発信する。
□□の材質変更: □□の原因である□□の摩耗を抑制するため、耐摩耗性に優れた〇〇材質に変更する。材質変更による耐久性の向上を、実証実験により確認する。」
■まとめ
技術士試験の論文では、「明確化」「高度化」といった抽象的な言葉は避け、具体的な言葉で記述することが重要です。課題に対しては、定量的なデータに基づいた分析を行い、解決策に対しては、具体的な行動と期待される成果を示すことで、採点者にあなたの技術力と問題解決能力をアピールしましょう。
より具体的に記載する為には以下のようにすると良いです。
5W1Hを意識する: 何を (What)、なぜ (Why)、誰が (Who)、いつ (When)、どこで (Where)、どのように (How) を具体的に書く。
図や表を活用する: 言葉だけでは伝わりにくい情報を、視覚的に表現する。
専門用語を適切に使う: 専門知識をアピールすると共に、正確性を担保する。
これらのポイントを踏まえ、具体的な言葉で論文を作成することで、合格に近づくことができるでしょう。