2024/07/04
試験まで2週間ですが、あえて本質論を考えて下さい
科学と技術の違いについて考えてみましょう。
「科学」とは一般に、事がらの間に客観的なきまりや原理を発見し、それらを体系化し、説明することをいい、「技術」とは、理論を実際に適用する手段をいう。
科学
事象の客観的な原理や法則を発見し、体系化して説明することを指します。実験や観察、観測の結果に基づいた、変わり続ける知識の体系です。自然科学(数学、物理、化学、生物学など)、応用科学(工学、農学、薬学、医学など)、社会科学(経済学、法学など)、人間科学(心理学、言語学、文学など)などがあります。
技術
科学の理論を実際に活用して、人間生活に役立つモノや製品を設計・製作する手段や活動です。やり方や方法、手段を表し、技を記録したり、数式や図面、文章などで伝えたりすることもあります。
もう少し掘り下げてみましょう。
科学と技術は、どちらも私たちの生活を豊かにする上で重要な役割を果たしていますが、その目的やアプローチには明確な違いがあります。
科学:
目的: 事象の根本原理や法則性を解明し、体系的な知識としてまとめること。
アプローチ: 観察、実験、分析などの客観的な手法を用いて、自然や社会の現象を理解しようとする。
成果: 理論、法則、モデルなど、普遍的な知識の体系を構築する。
例:
万有引力の法則を発見する。
新しい化学物質の性質を解明する。
社会の経済構造を分析する。
技術:
目的: 科学的な知識を応用し、人間の生活に役立つ道具や製品、システムなどを作り出すこと。
アプローチ: 設計、開発、製造などの実践的な手法を用いて、具体的な問題を解決しようとする。
成果: 製品、装置、サービスなど、実用的な成果物を生み出す。
例:
スマートフォンを開発する。
新しい薬を製造する。
交通システムを構築する。
簡単に言うと:
科学は「なぜ?」を解明する学問
技術は「どのように?」を実現する活動
科学と技術は相互に影響し合いながら発展してきました。科学的な発見が新しい技術を生み出し、技術の進歩が新たな科学的発見を促すという関係にあります。
例えば、電磁気学の理論(科学)は、発電機やモーターなどの技術開発に繋がりました。逆に、電子顕微鏡のような高度な技術は、細胞や微生物の研究(科学)を飛躍的に進歩させました。
このように、科学と技術は車の両輪のように、社会の発展に欠かせない存在です。
しかし、こんな暗闇もあります。
原子爆弾は科学の知識を応用して作られた技術の産物ですが、人間の生活に役立ったとは言えません。むしろ、多大な犠牲と悲惨な結果をもたらしました。
この例は、科学と技術の関係における重要な問題点を浮き彫りにしています。
技術の倫理的問題: 科学的な知識は、必ずしも良い目的のために使われるとは限りません。原子爆弾のように、人類に危害を加える技術を生み出す可能性もあります。
科学者の責任: 科学者は、自身の研究がどのような技術に利用される可能性があるのかを常に意識し、倫理的な責任を持つ必要があります。
社会の役割: 技術の利用に関しては、社会全体で議論し、適切な規制やルールを設ける必要があります。
科学と技術は、使い方によっては私たちの生活を豊かにすることができますが、同時に大きなリスクも伴います。科学と技術の進歩を享受するためには、その利用方法について倫理的な観点から常に注意を払い、社会全体で適切な判断を下していく必要があります。