2024/03/28
リスクとは何か? リスクとその仲間の言葉達
Ⅲや必須問題の設問3では、解決策を実施しても残るリスクや、その解決策によって生まれるリスクを問われます。
リスクではなく、懸念事項や懸案事項を問われることもありますが、実質的に同じモノです。
ただし、厳密にはリスクだけは数値化出来ます。
影響度合い×発生確率=リスクです。
懸案事項や懸念事項は、上記の計算をしません。
ただ、どれも結局は可能性の話です。
自然現象や人間の行為が、人間の生命、財産、生存環境などに損害を与える恐れがあること、あるいはその恐れの大小のことを言います。
したがって、自明のことはリスクになりません。
顕在化している場合は、リスクにならないです。
あくまでも潜在的な事項です。問題文をよく読むと分かるのですが、リスクには解決策と言いません。
対策、あるいは対応策と言います。したがって、解答用紙にリスクの「解決策」と書かないで下さい。
念のため、懸案事項ですが以下の通りです。
まだ解決されていない問題を意味する「懸案」と、物事の一部となっている一つ一つの事柄を意味する「事項」が合わさった言葉です。 ビジネス、またはオフィシャルなシーンで耳にすることが多く、会議中の発言やスピーチ、議事録、新聞、ニュースなどでよく使われます。
さらに、懸念事項は以下の通りです。
懸念事項とは、心配や不安として残っている事柄のことです。ビジネスや報道など、比較的かしこまった場で用いられることの多い表現です。
厳密に言うと、懸案事項は「既に問題視されている事柄」を表し、懸念事項は「この先問題が出てくるであろう、気掛かりな物事、不安な物事」を指します。
ややこしいですね。
もう一つ、主にⅡ-2に出てくる言葉に「留意点」があります。
「留意」は「意に留める」「気に留める」「心に留め置く」ことを意味する表現で、「留意する」「ご留意ください」など、点を付けずに留意とだけ用いる場合もあります。
「留意」は強制力のない言葉のため、使うシーンや相手を選びません。「留意」の方が柔らかい表現のため、ビジネスシーンではよく用いられます。
「留意」と似た言葉に、「ある物事に対して気をつけること」「悪い事態にならないように用心すること」などの意味がある注意点があります。
「留意」と「注意」の違いは、伝えたいことが抽象的で継続的な場合は「留意」を使うことが多いですが、「注意」は、その事柄を用心したり、警戒したりする必要がある時に使います。また、具体的かつ集中して気をつけて欲しい場合は、「注意」を使うのが一般的です。
もう少し詳しく見ましょう。
注意点
意味: 何かを行う際に特に気を付けるべき点。危険や失敗を避けるために重視すべき事項を指します。
使用例: 手順やプロセスを実行する際に、問題が生じないように特に注意が必要な部分。安全に関する指示や、失敗を避けるための具体的な警告に使われることが多いです。
留意点
意味: 考慮や配慮が必要な点。注意点と似ていますが、こちらはより広く、計画や判断をする際に考慮すべき事項や、配慮が必要な側面を指します。
使用例: ある決定や計画を立てる際に、全体的な視点から配慮すべき点。注意点よりも広義に使われ、柔軟な思考や包括的な視野を要求される状況で用いられます。
違い
ニュアンス: 「注意点」は特定の行動や作業を実施する際に直面する具体的なリスクや問題を避けるために必要な具体的な警告に焦点を当てがちです。一方、「留意点」はより広い視野で物事を考え、計画や意思決定を行う上で考慮すべき要素や配慮すべき点に重きを置く場合に使われることが多いです。
簡単に言えば、「注意点」は「気を付けなければならない具体的なポイント」に対して、「留意点」は「全体を通して考えておくべき点」のニュアンスがあります。
ちなみに、技術士試験では「注意点」を見ることがほとんどありません。