【技術士二次試験】受験動機を考える

2021/08/05

受験動機を考える

受験動機は考えていますか?
技術士二次試験の口頭試験で最も多い質問は、受験の動機だと思います。
もちろん、業務の詳細に関する質問もありますが、一般的な質問で最も多いのは受験動機でしょう。
3義務2責務は質問されないこともあるのですが、受験の動機はかなりの確率で質問されます。

そして、受験の動機に正しい回答はありません
「出世するため」と答えて受かった人もいます。
もちろん、一般的には

 公的な能力の証明になるから
 信用力を上げるため
 会社に技術士が多く、半ば業務命令で受験した
 業務上必要だった
 将来APECエンジニアになって活躍したい

などと答えます。

業務上で必要と言うのは立派な動機です。
ただし、「上司の命令で仕方なく受けました」では拙いと思います。
基本的に自分の意志、将来を考えて、社会や公衆のため、会社のため、自分や家族のためと言った要素があればOKです。ここで技術士法を思い出して下さい。

第一条 この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もつて科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする。
第二条 この法律において「技術士」とは、第三十二条第一項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう。

受験動機の中にこの要素を入れるようにして下さい。
技術士は、科学技術の向上と国民経済の発展に資する義務があるのです。
その目的のために作られた、資格であり制度です。
これを忘れると、口頭試験に受かりません。
また、絶対に口にしてはいけない言葉は、「自分の実力を試したい」です。
技術士試験を、力試しに使うとほぼ間違いなく「不合格」です。
これだけが理由ではないと思いますが、「力試し」と言って不合格になった人を数名知っています。
そもそも、国家試験で力試しはないと思います。
試験を行っている人に対し、失礼だと思います。

No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。