夏の危険な時期

口頭試験の準備として、この時期の緩みを抑えるために

2018/08/03

夏の危険な時期


この時期、どうしても気持ちが緩みます。
択一試験が9点以上だった人は、あとは10月31日まで待つしかありません。

私の頃は、この時期に「技術的体験論文」を作成しましたから気持ちが緩むことを押さえることができました。
今はそれがありません。
技術士を目指す人にとってこの時期がもっとも緩みやすく危険な期間です。

でも、この時期をしっかり過ごすと筆記試験の合格通知が届いてから慌てなくて済むのです。
ですから、できることはしっかり準備してください。

10月31日から始めたのでは遅い場合もあります。
まず、自分の専門分野での事故・リコール、倫理的な不祥事は情報収集してください。

情報収集は、時間が掛かりますから早く始めた方が有利です。
集めたニュースに対し、それ自体を暗記するのではなく、自分の意見をまとめてください。


簡単でよいのです。


口頭試験では、20分で25~30問程度の質問があります。

長々答えるのは御法度です。下手をすると減点です、短く要点だけを答えるようにしてください。
そのため、ニュースに対する意見も100~150文字でまとめるようにしてください。

試験委員は、受験者が事故や災害のニュースを知っているかどうかを問うのではありません。

その事故や災害、リコールなどに対して受験者がどんな意見を持っているのかに興味があるのです。
受験者が、技術士にふさわしい見識を持っているかどうか、それを受験者が話す意見から判断しようとします。

また、当然ですがとってつけたような真面目な意見も評価にはなりません。
当たり前ですが、受験者が試験対策を行っていることは試験委員も承知してます。

受験者がいかに優等生的な意見を言っても「こいつ本気で言ってないな!」と判断される場合もあるのです。

ですから、人の意見、あるいはインターネットで集めた記事の解説を暗記するのは不可です。
あくまで自分で考えてください。
力まず、普通に考えればよいのです。

どうして、その事故は起こったのですか?

その災害が防止できなかったのはなぜですか?

災害は、不可抗力の場合もあります、でもその失敗から何かを見つけて次に活かすことは重要です。

日本では、残念なことに毎年大雨で人が死んでいます。

毎年です。
10年に1度ではないのです。

ことしも30名以上がすでに亡くなっています。

また、労働災害事故は減っているとは言え、現在でも年間1,000人弱です。
毎日、3人が仕事で亡くなっています。技術士としてどう思いますか?

口頭試験の準備として、この時期の緩みを抑えるために少し考えてみてください。

No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。