【税理士講座 中村講師インタビュー/合格のポイント編】スタディング税理士講座


簿財2科目は取捨選択と解く順序がカギ。
難しい問題は思い切って捨てる勇気を持とう


税理士試験の簿財2科目はボリュームが多く、難しい試験です。そんな試験にどのように挑み、どう攻略すればよいのか。また、試験直前期から当日にかけて何をすべきなのか。今回も、税理士講座 簿財2科目主任講師の中村博之先生にたっぷりとお話を伺いました。


――簿財2科目の難しいポイントはどんなところでしょうか?

これらの試験を難しく感じさせる最大の理由は、出題量が多いことと、「こんな問題、誰が解けるんだろう」と思いたくなるほど難しい問題が複数出ることです。

2時間の試験時間に対して3時間分の問題が出るので、2~3割は手をつけられずに終わります。ということは、どんなに難しい問題があっても、それがその2~3割の中に入っていればいいわけで、自分の得意な形式・見慣れた形式の問題をまず優先して解き、解けない問題は思い切って捨てる。そういう「取捨選択」と「解く順序」が合否のカギを握るのだと思います。


――簿財2科目に合格できる人・できない人の違いは何だと思いますか?

合格できるのは、難しい問題に出会ったときにさっさと飛ばせる人です。「これだけ勉強してきた自分が難しいと感じるんだから、ほかの受験生にとっても難しいはずだ」というような判断が、本試験の場でできるかどうかが合否に大きく影響します。

一方、どんなに難しくても一度手をつけ始めた問題を途中でやめる踏ん切りがつかない人は、ほかの答案を埋める時間が足りなくなって、思うような結果が出ないこともあります。特に、実力のある人ほど難しい問題に深入りして失敗してしまうケースも見受けられるので、実力のある方は気をつけたほうがいいですね。

あとは成績が伸び悩んだり、残念ながら不合格となってしまったりしたときに、「教材が悪い」「講師の教え方が悪い」「演習問題の数が少ない」などとだれかのせいにする人。こういう人も受かるのは難しいでしょう。自分と同じ講義や同じ教材で学習して合格している人が多数いるのです。そうである以上、失敗の原因が自分のどこにあるのかを分析し、失敗を反省して次につなげられる人が合格できる人なのだと思います。


――簿財2科目はどのようなスケジュールで勉強を進めればよいですか?

大まかには、8月末か9月頃から勉強を開始して、翌年4月にはひととおり学習を終えて、5月から直前対策に移る、というのが一般的なスケジュールです。簿財2科目は重複する部分も多いので、できれば同時に受験勉強を進めるのが理想ですが、スケジュール上難しい場合は1科目ずつ勉強してもかまいません。

通学講座の場合はだいたい1年前後のカリキュラムが組まれているので、これに似たスケジュール感になると思います。一方、通信講座の場合はスタートがバラバラです。8月や9月に始める人もいれば、11月頃から始める人もいます。もし、スタートが遅かった場合は、最初から少し速めのペースで学習を進めていくとよいでしょう。


――具体的に、どのようにスタディングを活用して学習を進めていけばよいでしょうか。

まずは講義動画をひととおり観ていただきたいですね。講義動画で使用したスライドはすべてテキストにも載せていますし、講義では触れなかった説明もテキストに盛り込んであるので、テキストにも必ず目を通すようにしてください。その後、きちんと頭に入っているかを確かめるために、単元ごとの巻末にあるスマート問題集を解きましょう。

スマート問題集である程度確認ができたら、次に「トレーニング」で実践的な演習を行います。特に計算問題は実際に問題を解いてこそ身につくものなので、計算の基礎力を固めるという意味でもトレーニングにはしっかり取り組んでほしいですね。ただし、単元によってはテーマの説明だけで終わっていてトレーニングのないものもあります。ここまでがひとつの日常的な学習のサイクルです。


――その後はどうなりますか?

ある程度講義が進んでくると、「テーマ別演習」と「実力テスト」があります。この2つに取り組むタイミングはカリキュラムで決まっているので、適切な時期が来たら取り組んでみてください。やってみることで、自分の”現在地”がわかります。自信がなくてつい避けてしまう方もいるかもしれませんが、この2つの演習を通して、どこができていて、どこができていないのかが見えてきます。そうすることで、勉強し直すべきポイントが把握できますから。

また、オプション講座にはなりますが、直前期には直前対策講座もご用意しています。全9回の答案練習があり、最初の3回は直近3年分の過去問、あとの6回はスタディングオリジナルの問題をそれぞれ解いていただきます。普段使う教材は何度も回していただく前提で作っているのでそれほど難易度は高くないのですが、過去問は非常に難しい問題もあるので、教材と本試験のとのレベルの差に愕然とする受講生さんも少なくありません。ですが、はじめに本試験の量の多さや難易度、最終的に到達すべきレベルを実感してもらい、これから先何をすべきかを把握していただきたいとの意図で、このようなカリキュラムを組んでいます。なので、直前対策講座では最初にぎゃふんと言わされると思ってくださいね(笑)。


――受講生には、お仕事や家事育児で忙しい方も少なくありません。仕事や家事育児と勉強を両立させるコツはありますか?

1週間のサイクルで学習計画を立てることですね。このとき、不測の事態に備えて、7日間ではなく6日間でこなせる分量でスケジュールを組むのがコツです。最初の6日で予定していた勉強が終わった場合は、ご褒美で1日休みとしてもよいでしょう。一方、万が一1日勉強できなかった日があれば、その日の分は予備日に回すようにします。

このとき、一定のサイクルで既習範囲の復習も計画に入れるようにしましょう。一度学んだことは復習しなければ忘れてしまうからです。新しいことを学びつつ、振り返る時間も確保してください。日々のタスクをこなしていけば達成感もありますし、「予定通りに進んでいるから、このままいけば大丈夫」という自信にもなります。また、それ自体がモチベーションにもつながりますよ。


――試験当日までに準備しておいたほうがいいもの・ことはありますか?

受験票や使い慣れた筆記用具・ストップウォッチ・電卓は、できるだけ前日の早い時間までに用意しておきましょう。早い時間に確認しておかないと、いざ使おうと思ったときに電卓が動かなかったり、ボールペンのインクが切れてしまって使えない、ということがあるためです。そういうアクシデントがないようにしましょう。

あと、大事なのが試験会場までのルートの確認です。普段の通勤と異なるルートを使う、という方も多いと思うので、どういうルートで行くか考えておきましょう。また、交通系ICカードを使うときは、あらかじめチャージしておくことをおすすめします。

意外と盲点になりやすいのが、昼食の用意です。試験会場の近くにコンビニがある場合「あそこで買えばいいや」と思ってしまうかもしれません。しかし、受験生はみんな同じことを考えるので、当日の朝コンビニに行くと長蛇の列ができていて到着が試験開始時間ギリギリ、という可能性もあります。昼食は当日朝家を出る前に必ず準備しておくようにしましょう。


――試験当日の注意点はありますか?

簿記論などを受験する場合は、移動時間が通勤ラッシュの時間帯に重なるので、遅延情報を常にチェックするようにしましょう。試験会場には試験開始30分~1時間前に到着できるとよいですね。緊張しやすい人は指が震えて開始直後は電卓がうまく使えないこともあるので、試験開始時間までに少し電卓をはじいて指ならしをしておくとよいですね。

また、トイレをいつどこで使うかを考えておくことも大事です。会場では受験者数に対してトイレの数が少ないこともあります。家を出る前に済ませるのが鉄則ですが、試験会場が遠い場合は、最寄駅に着いたら駅でトイレを済ませるのもよいでしょう。


――最後に、受講生さんにメッセージをお願いいたします。

直前期になればなるほど不安になって、他の教材に手を出したくなる方もいるかもしれません。しかし、スタディングの教材をきちんとこなすだけで十分合格できます。なので、スタディングの講座を信じて、しかれたレールにきちんと乗っかってまっすぐ進んでほしいですね。

あと、先ほどお話ししたとおり、本試験では解けないような問題が必ずいくつか出ます。すべてに手をつけるのは時間的に絶対無理なので、そういう問題はとりあえず後回しにして、制限時間をぜひ有効に使ってください。みなさんの合格を心からお祈りしています。

No Image 中村 博之 (なかむら ひろゆき) プロフィール

大手資格学校にて昭和58年5月より日商簿記講師を始める。日商3級、2級、1級の講師を歴任。
日商3級では合格率95%以上、日商2級では合格率90%以上を連続で達成。
昭和61年より税理士講座の簿記論講師を始める。
昭和63年より簿記論の教材制作も始め、テキスト、問題集、副教材、答練問題など、簿記論のすべての教材制作を手がける

その後、平成に入り他の大手資格学校に移籍。簿記論と財務諸表論の講師を兼任。
簿記論に併せて財務諸表論のテキスト、問題集、副教材、答練問題など、財務諸表論のすべての教材制作を手がける。
これまでにも教室での生講義のほか、ビデオ収録やDVD収録などの講義も簿記論と財務諸表論を担当する。

かつての受講生の中には、直前期の答練で1度も平均点に届かなかった受講生を合格させた実績もある。
最後まで受講生を引っ張り、合格へと導く手腕には定評がある。
制作する教材は、最小の努力で最大の効果を得られるように配慮されたものであり、大手他校の百科事典のような教材とは一線を画す。

税理士のオンライン講座を、今すぐ無料でお試しできます!

税理士講座 無料お試し

  • 税理士試験の特徴と対策を踏まえた無料セミナー!
  • 簿財2科目/法人税法/消費税法/相続税法/国税徴収法の動画講義と問題演習を体験!
  • 簿記初学者も安心!「簿記入門」講義もお試し可能!
  • 理論対策もバッチリ!ナレーターによる音声教材付き!
さらに
税理士試験の特徴と対策、合格への勉強法が分かる『学習スタートガイド』『税理士試験必勝勉強法』PDF冊子をプレゼント!
お申込み後すぐに受講が試せる!
自動契約・更新はありません
お得に受講できる10%クーポン付き