【税理士講座_倉井講師インタビュー/講座紹介編】スタディング税理士講座


利益計算から消費税の計算に
頭を切り替えることからスタートしよう


スタディング税理士講座 消費税法担当の倉井泰将先生によれば、消費税法は法人税や所得税とは全く考え方が異なる科目なので「まずは頭を切り替えることが大事だ」といいます。それは一体どういうことなのでしょうか。今回も引き続き、倉井先生にお話を伺います。


――スタディング税理士講座の中でも、消費税法講座の特徴について教えてください。

消費税法は、ある事業者に納税義務があるかどうかをまず判断しなければなりません。そういう意味では、法人税法や所得税法とは異なる特徴を持つ税法なんですね。会社を設立して経営している方なら法人税や所得税の納税義務がないことはありえないでしょう。ところが、消費税は売上1000万円超の事業者のみ納税義務が生じる税金なので、納税義務がない事業者も数多くいるのです。

また、会社が分割したり合併したりすることがありますが、「売上1000万円超」という条件はどの時点を見ればよいのかというところも難しいです。消費税法講座も、何が課税されるか、何が非課税なのか、何が免税になるのかの基本的な項目から、納税義務の判定へと授業が進んでいきます。


――消費税法講座で肝となるポイントは何ですか?

スタディング税理士講座のほかの税法・会計科目も同じだと思いますが、基本的なところを絶対に間違わないということですね。たとえば、簿記論だと数字を電卓ではじいて答えの数字を出すという作業をしますし、財務諸表論だとそれプラス理論を覚えて書くという作業をします。一方、消費税法は課税される・されない、輸出して免税になる・ならないなどいろいろと判定をすることになります。

計算結果の答えをどちらにすべきかというところを悩むことが多いと思いますが、そういうときに、理解していて正解できる方もいれば、たまたま合う方もいれば、たまたま間違う方もいます。なので、まずは間違ってはいけないところを間違わないようにしてもらうことが一番大事です。


――やはり税理士試験ではそれが基本になるんですね。

法律ではなく通達など細かい規定で計算方法を指定されていることがあるのですが、どんどん法律や通達も増えているので、そこを完璧に追いきれている方はおそらくほとんどいないでしょう。働きながら勉強されている方や、複数科目同時に勉強されている方であればなおさらです。

そういう中で効率よく勉強するためには、ある程度必要なところをしっかりおさえておけばいいと思います。そして、間違ってはいけないところをすべて間違わないようにする。逆にいうと、本試験で難しい問題があったときに「これは誰も知らないな」「誰も正解できないな」という判断がつけば、かなり合格ラインは近いのではないかなと思います。


――ほかの税理士の試験科目と同じように、誰もできない問題をいかに飛ばして先に進めるかということが大事だと。

そうですね。試験時間が何時間もあれば難しい問題も解いていいかもしれません。しかし、税理士試験は2時間という制限時間の中で加点をどんどんのばしていかなければならない試験です。なので、他の科目と同様に取捨選択をいかにできるかというところが大事になると思います。


――倉井先生がこだわっているポイントや工夫されているポイントはありますか?

まずは、利益計算から消費税の計算に頭を切り替えていただくことですね。消費税法の受講生さんは、消費税法の前に簿財2科目や法人税法、所得税法などの勉強をしてから受講する方も少なくありません。法人税法や所得税法では「利益がいくら」を考えなければならないのですが、消費税法では利益を考える必要は全くありません。なので、講座の冒頭では利益計算から消費税の計算に頭を切り替えるための場所として位置づけ、より丁寧に説明するようにしています。

実務だと消費税の納税義務があるかないかはけっこうギリギリ、ということもありますし、営業利益はたいしたことのない会社でも、売上が大きいと納めなければならない消費税がすごい金額になったりします。そのように、仕事上で判断を誤ると大変なことになるのが消費税なので、利益と消費税の違いを最初にクリアにしていただくことは非常に重要だと思います。


――ほかにこだわっていることはありますか?

基礎力をつけることを重視していることですね。先ほどもお話したように、まずは基本的なところを押さえていただく必要があるので、基礎的なところはわかりやすいようにゆっくりした話し方にしていますね。逆に、「ここまでは必要ないかな」というところはかなり飛ばして説明することもあります。

答練などでは、集計の方法を実際に問題用紙へ書き込んで見せて「本番でもこういう感じで問題用紙に書き込んで集計すると早いのではないでしょうか」と提案しています。こちらで出している提案がベストなわけでは決してないのですが、「こうすると効率よく試験時間を使えますよ」という意味合いを込めて説明していますね。


――消費税法講座の受講生の方からはどんな声が届いていますか?

消費税法だけを受けている方もいれば、ほかの講座を受けてから消費税法の講座を受けている方もいるのですが、「独学でなかなか理解しづらいところも、先生の講義を聴いてより印象に残るようになりました」「講義で聴いた内容を忘れないうちにすぐに復習できる」「忙しい中でも、復習のサイクルをうまく入れられる」という声が届いていますね。


――今後、消費税法講座で新しいことが始まるんですよね。

そうなんです。チケット制にはなるのですが、受講生さんが日頃勉強しているときに感じる疑問や質問を投稿し、講師が解答する掲示板のようなサービスが近々できる予定です。

消費税法講座は、基本的にはこちらからの一方通行というスタイルの講義です。だからこそ安価で提供していたというのもあるのですが、今後は受講生さんと質問回答を通じて掲示板上でやりとりができるようになるので、今からとても楽しみにしています。


――最後に、受講生さんに講座を通して伝えたいことは何ですか?

どの科目でもそうなのですが、1年間勉強してきた成果がたった2時間の試験で試されます。まずは勉強を続けるのがイヤにならないように、無理なく続ける工夫をしていただきたいですね。本試験当日に勉強していないところが出たら、その部分はいさぎよく諦めて、自分が解けるところだけをしっかり解くぞくらいの気持ちでいることが大事なのではないでしょうか。体調面も精神面も含め、健康に気をつけながら勉強を頑張ってほしいなと思います。

No Image 倉井 泰将 (くらい やすまさ) プロフィール

1970年神奈川県生まれ。1999年税理士試験合格。1996年から大手資格学校にて税理士講座の受験指導を行う。講義、受講相談、質問回答など税理士受験指導に長年携わり、多くの合格者を輩出。税理士事務所での勤務経験を生かした、実践的かつ分かりやすい講義に定評がある。

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