【税理士講座_倉井講師インタビュー/講師紹介編】スタディング税理士講座


企業の社長や医者からパイロットまで
さまざまな業界・職種の方のお役に立てる仕事


農獣医学部出身で税理士になったという変わった経歴の持ち主である、スタディング税理士講座 消費税法担当の倉井泰将先生。実務家として、企業経営者やお医者さんから、なんとパイロットや元野球選手まで幅広くお付き合いがあるといいます。倉井先生がスタディングで講師をされるようになった経緯とともに、実務家だからこそ感じる税理士の資格の魅力ややりがいについて、お話していただきました。


――倉井先生が税理士を目指された経緯は何だったのでしょうか。

僕はもともと大学時代、農獣医学部という学部で農業経済を勉強していました。そこで、たまたま簿記の授業があって受けていたことがそもそものきっかけですね。週2回・2時間ずつというそこそこのボリュームがあり、せっかくなので日商簿記2級を受けようと専門学校に通いました。2級は無事に合格したのですが、次に受けた1級は落ちてしまって。 再度1級にチャレンジしようかと考えていたところ、通っていた専門学校の先生に、「もう一回(日商簿記)1級を受けるくらいなら、税理士試験を受けたほうがいいのでは?」とすすめられて、大学在学中から税理士試験の勉強を始めたんです。


――倉井先生はどの科目を受けてどのように合格していったのですか?

まずは、必須科目の簿記論と財務諸表論から勉強をスタートしました。「勉強時間はあるのでもう1科目いけるかな」と思い、所得税法の勉強もプラスして始めたものの、3科目勉強するのが厳しくなってきて。財務諸表論をやめて簿記論と所得税法の2科目を受験して合格しました。次に財務諸表論・相続税法・消費税法の3科目を受けようとしたものの両立が難しく、1年目の縁起をかついでまた財務諸表論をやめたのですが、2年目は両方不合格。3年目は「今度こそ」と思い、財務諸表論・相続税法・消費税法の3科目の受験にチャレンジしたのですが、3科目ともダメで。4年目も3科目受験して財務諸表論のみ合格し、5年目は相続税法、6年目に消費税法に合格。6年かかって平成11年にやっと税理士になれました。


――苦労をされたんですね。講師業を始められたきっかけは何かあったのですか?

最初に所得税に合格したもののその後なかなか受からなかったので、通っていた専門学校の講師から「所得税法を教えてみたら?」と言われて、受験4年目から所得税法の講師の仕事を始めました。もともと親が学習塾を経営しており、大学生の頃からそこで小中学生を教える仕事をしていたので、塾講師と平行しながらやっていましたね。

また、税理士登録をするのに実務経験もいるので、会計事務所2ヶ所、4年ずつ勤務しました。その間、講師の仕事をしない期間もあったのですが、講師のお仕事をしていたときは税理士講座だけでなく、FPのタックスプランニングや相続・事業承継などの科目の講師もつとめていました。


――スタディング税理士講座で講師をされるようになったのはどのような経緯でしょうか?

私が大学生の頃に通っていた専門学校の簿記の講師が、スタディング税理士講座で講師をしていたことがあるんです。その先生から2019年の春頃に「スタディング税理士講座で消費税法の講座が開講されるから講師をやらないか」と誘っていただき、スタディングにジョインを決めました。2019年の11月頃、消費税法講座の収録がスタートした頃から参加しています。実は、この先生とご一緒するのは4回目なんですね。最初所得税法を教え始めた学校でご一緒して以来ずっと講師業をともにしています。


――スタディングの講師をしながら、税理士としてのお仕事もしているんですよね。

はい。平成20年に開業しました。日頃は、お客さんにお会いすることから始まって、お預かりしてきた資料のデータをPCに入力したり、確定申告書や決算書などの書類作成をしたりしています。

私は税理士試験の受験生時代に、選択必須科目に所得税法を選んだこともあり、確定申告は得意なんです。相続税法を勉強したので、相続税の申告手続きもしています。なので、個人事業主の方や家族で経営しているような小さな会社の税務のお仕事を主に受けています。逆に、法人税法にはあまり詳しくないので、大きな法人のお仕事はお引き受けしていません。

税理士の大半は受験生のときに法人税法を選択しているので、大きめの法人のほうが得意で、確定申告はちょっと避けたいという方が多いという印象なので、私は一般的な税理士とは得意分野が真逆だと思います。


――倉井先生は実務家として、税理士の資格の魅力はどんなところにあるとお考えですか?

自分が実務に携わっていて一番思うのは、業界・業種関係なくさまざまな方にお会いできることですね。日本人だけではなく外国人の方もいますし、職業も本当にいろいろで。企業の社長さんやお医者さんもたくさんお付き合いがありますし、変わったところではパイロット、元野球選手などもお付き合いがあります。

パイロットの方は奥様が飲食店を経営されていて、確定申告のお手伝いをしたことからつながったのですが、その後もパイロットからパイロットへと、紹介がつながっています。元野球選手の方は、顧問先の女性社長と結婚されたことをきっかけにお知り合いになりました。その方は現役からは退いたものの、プロ野球の解説のお仕事やコーチのお仕事をされていて事業所得がある方なんです。プロ野球界には専属の税理士さんがいるそうなのですが、せっかくお知り合いになったので、ということで私のほうで税務のお手伝いをしています。


――それだけ倉井先生が顧問先から信頼を得ているということですね。それも含めて、税理士のお仕事のやりがいはどのようなところにあると思いますか?

先ほどお話ししたようなお客さまと直接つながれて、お役に立つことができて感謝されることです。

ただ、いいことばかりではありません。たとえば、相続税の申告業務では、いざ相続が始まったときに「どの財産を誰がもらうのか」ということで相続人同士でもめることが多々あります。弁護士が入るほどではないのですが、相続人の方から直接「○○の言い分が正しいよね」と私のほうに直接電話が来たりするんですよ。そういうときは、言いたいことはすべてお話してもらった上で、ひたすらなだめたり、説得したりしながらなんとか最終的に結論は出すという感じですね。

相続税を学んだ方であればご存知だと思いますが、相続税の申告には、「被相続人が亡くなったことを知った日から10ヶ月」という期限があります。なので相続人の方にもそういうお話をして、妥協点を見つけて納得していただいます。相続人の方全員が必ずしもwin-winになるわけではないと思いますし、全員に感謝されているかどうかはわからないのですが、それなりに話がまとまって申告の手続きを終えたときはほっとしますね。


――どのような方が税理士に向いていると思いますか?

どこかの会計事務所や税理士事務所に勤務している税理士と、開業している税理士とでは異なると思うのですが、
まず勤務税理士のほうは調べ物が苦にならなかったり、法改正情報などをきちんと自分で勉強してアップデートしたりできる人ですね。
数字を扱うお仕事なので、数字には強いほうがよいでしょう。

一方、開業税理士のほうは、従業員を雇っていない限りは基本的に手続きをすべて自分で完結しなければなりません。なので、法改正情報を追いかけられる、数字に強いことはもちろん、企業の社長など日頃接する機会のない人ときちんとお話できるコミュニケーション能力や、相手にわかりやすく説明する能力も必要になるかなと思います。

No Image 倉井 泰将 (くらい やすまさ) プロフィール

1970年神奈川県生まれ。1999年税理士試験合格。1996年から大手資格学校にて税理士講座の受験指導を行う。講義、受講相談、質問回答など税理士受験指導に長年携わり、多くの合格者を輩出。税理士事務所での勤務経験を生かした、実践的かつ分かりやすい講義に定評がある。

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