【税理士講座_金澤講師インタビュー/合格のポイント編】スタディング税理士講座


計算問題の知識が理論にも活きる。
理論は効率よく覚えて何度も回そう


スタディング税理士講座 相続税法担当の金澤美佐先生によれば、短期合格には正解すべき問題とそうでない問題を見極めることと、効率よく学習を進めることがポイントだと言います。そのためには、日ごろの勉強をどのように進めていけばよいのでしょうか。今回も金澤先生にお話を伺いました。


――税理士試験の相続税法の特徴や出題傾向について教えてください。

第1問に理論が2題、第2問で計算問題の総合問題が出題されます。相続税の申告書を手書きで作成するイメージですね。まれに、それに付随して贈与税等の問題が個別問題として出題されることもあります。

直近の出題傾向で言うと、理論は民法(相続法)の改正が大きく入ったこともあり、その辺りにちなんだ問題が多いです。計算問題で毎年必ず出題されるのが、宅地の評価と非上場会社の株式の評価を問う問題です。最近の難易度としては比較的解きやすいものになっていますね。以前は資格の予備校でも教えないような知識が問われる問題もあったのですが、最近は資格の予備校で基礎講座として取り上げられたり、参考書でも基本事項として載っていたりするようなオーソドックスな問題が出る傾向があります。


――相続税法試験の難しいポイントはどこでしょうか。

どの税法科目も共通して言えるのですが、まずはボリュームが多いことですね。限られた時間で得点を稼がなければならないので、「ここは落としてはいけない」という問題と「ここはみんなわからないから手を付けない」という問題を瞬時に見極めなければならないところも難しいポイントです。

たった1点でも順位でいうと数十位の差が出てくると思うので、1点取れているかどうかで周りの受験生との順位の差は非常に大きくなってくるでしょう。できるところはみんなできるので、落としてしまうと痛い。したがって、いかに凡ミスを防げるかどうかも合否を分けるポイントになってくるでしょう。人間なのでどうしても凡ミスはしてしまうものですが、1~2個位までにおさえるようにしたいですね。


――合格できる人とできない人の違いは何だと思いますか?

正解すべき問題を見極めることと、いかに効率よく勉強するかを常に追求している人は早く合格すると思います。難しい論点を効率よく覚えていくことが重要になるのですが、効率よく覚えていると忘れたときにも記憶がよみがえりやすいんですよ。スタディングの学習の基本は、講義を聞いて理解して覚えて(インプット)、トレーニングでアウトプットして習得していく、という流れになります。この中でも、「理解」の部分でどう自分の中で解釈して記憶に叩き込むかが重要です。ここを意識してやらないと、数か月たつと忘れてしまいますから。

逆に言うと、ただ知識を漫然と覚えている人は、自分の知識として自分の中に落とし込んでいないので忘れやすく、あとで思い出せない。なので、成績もあまり伸びないでしょう。どんな学習もそうですが、学習を積み重ねていく中でいかに密な学習をするか。ここがやはり一番重要ですよね。


――受験生時代、金澤先生は相続税法の勉強をどのように進めていましたか?

受験期間の前半は計算問題を中心に勉強する一方、理論もどんどん覚えていきました。人間の記憶なんて大したことはないので、1回しっかり覚えたとしても、数日たつと忘れてしまいます。でも、2回目に同じ理論を覚えようとするときは、1回目よりも覚えるのにかかる時間は少し短くなるんですよ。そのあとまたしばらくすると忘れてしまうんですが、3回目に覚える時には、かかる時間がさらに減るんですよ。それを繰り返していくと、本試験を迎える頃には60~70題くらいの理論がすべて頭に入っている状態で本試験に臨める、というわけです。

計算問題にしっかり取り組んでおくと、あとで理論を覚える時に計算の知識が活きる、ということもあります。なぜなら、計算問題の根拠となる条文が理論にあるからです。「ここの計算は理論にするとこういう言い方になるのか」と意識づけて覚えることができるので、頭にも入ってきやすい。ただ、計算と全くリンクしない条文もあるので、それはもう覚えるしかないですね。


――ちなみに、受験生時代に勉強で工夫されていたことはありますか?

理論を覚えるときには、3色のマーカーを使いました。たとえば、大見出しは緑、小見出しの部分は黄色、理論の文中のカッコ書きの()は水色 、のように色付けして見やすくしていました。見出しは、応用理論・事例理論を回答する際に、要点ピックアップに役立ちますし、理論ツールは、長くわかりずらい条文を覚えやすく簡潔にまとめたものなので、カッコ書きの部分も重要となるので、見出し・()に重点的に色付けしていました。理論の中で出てくる単純な数字や非課税の金額は、語呂合わせで覚えてもいいですね。

あとは、予備校の講義を聞いたら、毎回毎回その場で完璧に理解するようにしていました。もうそこで頭に叩き込んでおかないと、またあとで時間を作って再度学習しすることになる、その分時間の無駄となってしまうからです。しっかり講義でインプットして、アウトプットで問題を解き込む。問題を解いていく中で理解できていないところがあれば、そこはもう一度テキストに戻って理解する。これが基本でしたね。特に受験期間の前半は毎回1テーマずつ講義が進むので、それをひたすら繰り返していました。


――勉強時間の確保はどうされていましたか?

基本的に通勤時間と土日を勉強にあてていました。相続税法の勉強をしていた頃は会計事務所で正社員になった時期。講義のある日は夜に予備校で講義を受けていましたが、講義のない日は遅くまで仕事をしていたので、平日の夜はあまり勉強できなかったです。年内は息抜きの時間も作っていましたが、年明けからはスイッチを入れて、遊ぶ時間もお酒を楽しむ時間も削って(笑)空いている時間はすべて勉強にあてていました。

会計事務所に勤めている方は、年末調整のある12月から確定申告が落ち着く4月頃までが繁忙期になるので、そのことを見越して前倒しで勉強を進めておくことをおすすめします。


――本試験の直前期にしたほうがいいことはありますか?

直前期には有給休暇を使うなどして、まとまった勉強時間を極力確保することですね。朝から晩までずっと勉強する、という期間が直前にまとめてとれるといいと思います。会計事務所や税理士事務所の中には試験休暇が取れるところもあるので、そういう事務所にお勤めの方は有効に使いましょう。

直前期にやるべきことは、直前対策講義で行う総合問題を毎日1題ずつ解き直すことと、覚えていこうとする理論を毎日全部回すこと。理論は1日に覚えていこうとする数の理論を全て回します。もしどうしても休みが取れない場合は、1日分の量を2~3日に分けてこなしましょう。

理論を回すときには、間違えてはいけない部分、省略できない部分に注意して、 メリハリをつけながら覚えましょう。


――本試験当日にしたほうがいいことはありますか。

前日までに試験会場までのルートや時間を調べる、持ち物を確認するなど基本的なことは済ませておきましょう。当日は朝起きて顔を洗って朝食をとって……といつも通りに過ごすことが大切です。特に変わったことはしません。試験会場に向かう電車の中でも、計算式の確認くらいはしましたが、特に勉強らしい勉強はしませんでした。 試験時間が開始したあとも、いつもの順番・いつもの解き方で解きましょう。たまに試験当日に試験の解き方を変える方がいるんですが、そういう方はだいたい残念な結果に終わっている気がします。今まで勉強してきたことを信じて、あくまでもいつも通りの解き方、自分の決めた解き方で解いていくようにしましょう。


――最後に、受講生の皆さんへ励ましのメッセージをお願いします。

この1年間、いろいろな状況・いろいろな想いの中で受験勉強をがんばってこられたことでしょう。本試験当日にはしっかりとその成果が出せるよう、落ち着いて臨んでいただきたいと思います。私も経験があるのですが、もし試験の最中に頭が真っ白になったときには、いったん目を閉じて1~2分ほど深呼吸してみてください。そうすればおさまりますから。合格されたあかつきには、税理士としてお仕事をご一緒できる日を楽しみにしています!

No Image 金澤 美佐 (かなざわ みさ) プロフィール

兵庫県神戸市生まれ。大妻女子大学卒業。

一般企業勤務を経て、2009年より大手資格専門学校にて10年以上にわたって簿記論講師・相続税法講師として講義、教材開発に従事。多くの受験生指導に携わり合格者を多数輩出。

2010年に税理士事務所を開設し、実業と資格取得のサポートに注力し、効率的な学習にフォーカスした授業に定評がある。

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