【税理士講座_伊藤講師インタビュー/講座紹介編】スタディング税理士講座


全体を俯瞰してから個々の条文を理解するのが
国税徴収法合格への近道


国税徴収法は比較的ボリュームが少ないので、全体像が把握しやすくしっかり勉強すれば受かる試験だとスタディング税理士講座 国税徴収法担当の伊藤誠先生は言います。国税徴収法講座にはどのような魅力があるのでしょうか。伊藤先生に引き続きお話を伺いました。


――スタディング税理士講座 国税徴収法の魅力を教えてください。

勉強を始める際の敷居がとても低いところですね。税理士講座だけではないですが、スタディングの講座は「スキマ時間で勉強できる」をウリにしています。

でも、スキマ時間が15分あっても、準備に時間がかかるようであれば勉強がおっくうになってしまいますよね。たとえば、私は最近、パソコンを買い替えたのですが、前のパソコンは立ち上がるのが遅くて、例えば10分で終わるような仕事も、すぐに片付けないで「2つ3つたまってからやるかぁ」となってしまいました。実際には5つくらいたまってから着手するのですが・・・(笑)。その点、新しいパソコンは立ち上がりが早いので、すぐ仕事に着手できるんですよ。朝起きたらスイッチオン!朝ご飯までの間に2つ3つ、終わらせちゃう。

スタディング税理士講座もそれと同じで、分厚い参考書や筆記用具をわざわざ準備しなくても、スマートフォンひとつあれば、気負わずにさっと勉強が始められるのがいいなと思います。

また、スタディング税理士講座は場所を選ばずにどこでも勉強できるのもいいですね。私が税理士試験の受験生だったときは毎週末、気合を入れて朝イチで自習室に行くものの、「エアコンの効きが良くないなぁ」「隣に座っている人の鼻をすする音がうるさいなぁ(まさか風邪?)」など、集中力をそがれる要素がそこかしこにありました。スタディングの場合は好きな場所で勉強ができるので、そういうことがあまりないのも良いところだなと思います。


――スタディング税理士講座の講師のお話が来たときに、一番興味を引いたポイントは何でしたか?

対面の授業が全くないですし、原則としてペーパー類が配布されないことです。以前講師をしていた予備校でも録画した講義を受講生に見てもらう、というスタイルだったので対面の授業がないのは理解できたのですが、紙ベースのテキストや参考書がないのが斬新でした。大手予備校では、講座を申し込むとその日に持ち切れないほどの分量のテキストや問題集を渡されますよね。なので、申し込んでも、届くものがなにもないことに驚きました。


――工夫されていることやこだわりポイントはありますか?

まずは国税徴収法の全体像をざっくりとつかんでから、ひとつひとつの規定をしっかり覚えるようにしていただきたい、ということです。最初に部分部分を勉強してもあまり理解が進まないと思うので、まずは国税徴収法の全体を俯瞰してみていただくことに重点を置いています。全体から部分を見るトップダウン、部分から全体を見るボトムアップ、この繰り返しが深い理解につながり、横の展開もできると思っています。

また、国税徴収法の立法趣旨を説明することにもこだわっています。なぜこの構成になっているのか、なぜこのような規定を国税徴収法に設ける必要があったのか、その条文の受益者はだれなのか、ということを考えれば、おのずと立法趣旨が浮かび上がってくるでしょう。そういう趣旨について考える機会を提供することで、理解に結びつくだろうと考え、積極的にお話するようにしているのです。


――国税徴収法にはどのような特徴があるのですか?

国税徴収法は、法律だから当たり前かもしれませんが非常に合理的にできています。

たとえば、税金を滞納しているAさんが、お金は持っていないけれども土地付き一戸建ての住宅を所有しているとしましょう。ただこの土地付き住宅には抵当権が設定されています。いわゆる住宅ローンです。税務署はその財産を差し押さえることは可能ですが、その財産を誰かに売却(「換価」)と言います)しなければ差押えをした意味がありませんよね。そこで、入札の結果(「公売」と言います)、Bさんに5,000万円で売却することになった。
けれども、Aさんがローンを組んでいた銀行と、売却代金(「換価代金」と言います)をどう配分するかという問題が出てきます。そもそも差押えをする段階で国税として徴収できる見込みがない(国税に優先するローンが5,000万円以上あるとか)場合は差押えができません。その場合には一定の条件の下に、第二次納税義務などの徴税方法を探ることもあります。

またAさんが税金を滞納した理由が、災害などで被災したなど不可抗力のもので、納付する気はあるのに納付できない場合は、徴税の猶予や換価の猶予などの制度(徴収緩和制度)が用意されています。一方、お金や財産はあるけれど、税金を払う気がない人に対する措置(保全処分)も規定されている。

このように、国税徴収法には飴もあればムチもあります。個々の条文も非常に合理的でそれぞれの規定のつながりが非常にキレイです。ひとつひとつの規定がジグソーパズルのピースのようにきめ細やかにできている感じが何とも言えず好きです。なので、受講生の方々にはまず、「ジグソーパズルの完成図」みたいに、国税徴収法の全体像をつかんでほしいと思います。


――伊藤先生は本当に国税徴収法がお好きなんですね。

私は本当に国税徴収法が好きなので、みなさんにも好きになってほしいですね。税理士試験の受験生だった頃、試験が終わった帰りに駅で買った缶ビールを片手に電車の中で解き直してみようと、試験問題を開いた瞬間、1問目で「やっちゃったぁ~」と青ざめたこともありました。それでもやっぱり国税徴収法が好きですね。


――(スタディング税理士講座開発担当者への質問)国税徴収法の合格者の方からはどのような声が届いていますか?

≪スタディングスタッフより≫
伊藤先生に関しては、「講義が記憶に残りやすい」「話がわかりやすい」という声を多数いただいています。

2021年の試験に合格された方からは、本試験で特に苦手な滞納処分費に関する問題が出たけれど、伊藤先生の「直接の滞納処分費と滞納処分費の違いって理解できていますか?」というフレーズを思い出したことをきっかけに講義の内容がよみがえってきて、難局を乗り切ることができたということを知らせていただきました。

その方にとって伊藤先生の言葉が自信につながったようで、良かったと思います。


――今後、国税徴収法の講座でやりたいこと、チャレンジしたいことはありますか?

やはり受講生の皆さんを合格に導きたい、その手助けをしたいという思いが一番ですね。私、伊藤個人の合格へのルートはわかるのですが、合格へのたどり着き方は人それぞれ、いろいろあります。同じ単元でも、理解の仕方は受験生によって異なるでしょう。

一人ひとりがどうすれば合格にたどり着けるのか、いろいろな角度から考え、多面的な理解の仕方を受講生さんに提案することが私の今後の課題ですね。


――最後に、国税徴収法の講座を通して、受講生さんに伝えたいことは何でしょうか。

国税徴収法の知識があると、税理士になったときに非常に役立ちます。

クライアントさんは、いい経営状態のときもあれば、藁にもすがりたいときもあるでしょう。そういうときに、国税徴収法を知っていれば税務署がどのような対応をしてくるか予想が立ち、あるいはこちらから税務署にアプローチすることもできるからです。
国税徴収法の知識があるとクライアントさんへの対応に非常に厚みが出ると思いますね。

国税徴収法は、他の税法に比べれば分量も比較的少なく、全体像を把握しやすいので、しっかり勉強すれば受かる科目です。
なので、みなさんにはぜひがんばって合格を勝ち取ってほしいと思います。

No Image 伊藤 誠 (いとう まこと) プロフィール

1962年生まれ。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了。 2004年から大手資格学校にて税理士講座・国税徴収法の受験指導を行う。 理論暗記が中心で、単調になりがちな国税徴収法の勉強にあって、国税通則法を含めて各項目や条文の意義、内容、趣旨の「理解」を中心とした講義により、多数の合格者を輩出。 特に、単なる「本試験出題予想」のみならず、徹底的な出題傾向分析と法律解釈から、本試験問題作成者の「出題意図」を汲んだ解答を作成するための、実戦的な実力テスト・直前テスト・本試験予想模試には定評がある。

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