スタディング税理士講座 主任講師の藤田健吾先生は、もともと税理士を目指して勉強をされていました。税理士の科目合格を重ねるうちに予備校で教材作成や講師の仕事をするようになり、教える仕事の面白さに目覚めたのだと言います。今回は、そんな藤田健吾先生に税理士試験の講座で講師をするようになった経緯や、税理士の魅力について語っていただきました。
大学時代は会計学科で税務や会計の勉強をしていました。4年生になって周囲が就職活動にはげむ中、自分は就職を目指すよりも資格を取って仕事をするほうがいいなと思い、税理士を目指すことにしました。もともと、税理士を目指すつもりで会計学科のある大学に入ったので、当初の目的を本格的に実現しようかなと考えたんです。 そこで、資格の予備校の門を叩いたところ、現在簿財2科目を担当していただいている中村先生に出会いました。中村先生はスター講師で、よその地域からわざわざ中村先生の授業を受けに来ている方もいたくらい人気のある先生でした。私の場合は、たまたま通っている校舎が中村先生の担当校だったのでラッキーでしたね。
そうですね。中村先生のもとで簿記論に合格して、その後も財務諸表論、法人税法、相続税法と順調に合格を重ねました。4科目を合格する頃には、その予備校に請われる形で法人税の教材作成の仕事や講師の仕事をするようになっていました。そこで、教える面白さに目覚めます。
初めて担当した科目は、なんと法人税法ではなく財務諸表論です。そのクラスからは合格者が複数名出た上に、講師も出ましたね。私が財務諸表論を担当したのはこの1年だけだったので、かなりレアな体験でした。あとは、税理士講座を統括するようになってから、相続税法も1年だけ担当したことがあります。その2つのレアケースを除けば、現在までずっと法人税法の講座で講師をしています。
最初に講師の仕事をした予備校では7~8年ほど仕事をしていました。その後は同じグループにある別の予備校に移って少し仕事をしたあとに、eラーニング講座を展開している予備校に入りました。その予備校は講義をインターネットでライブ配信しているところで、「面白そうだからやってみたい」と思って移ることにしたんです。 そのスクールの講義は、ライブ配信をしながら画面の向こうにいる受講生さんに問いかけたり、チャットで来た質問に答えたり、というスタイル。受講生の反応がリアルタイムで返ってくるので、インタラクティブなやり取りができる点ではとても面白かったですね。なので、使う機材や教室が異なるだけで、教室で講義をするのとほぼ変わらないという印象でした。
通勤講座(現スタディング)の求人広告を見つけたことがそもそものきっかけです。当時スタディング側に「税理士講座を始めよう」という意図があったのかどうかはわからないのですが、求人広告に「税理士」と書いてあったんですよね。なので、ちょっと興味を持って応募してみたんです。
当時はまだ、社長の綾部さんが一人で何でもこなしていた時期。面接を受けに行ってお話をしていくうちに、「より短い時間で効率よく勉強できるスタイルを追求する」という理念に共感して綾部さんと意気投合しました。ちょっと模擬講義をやって見せてみたら「いいですね~!」と言われて、「じゃあ(税理士講座を)やりましょう!」という運びになりました。
ふつうは税理士講座を始めるとなったら、簿記論・財務諸表論の会計科目から始めるものなんです。私が簿記論や財務諸表論の講師であれば、「やりましょう!」と言えたかもしれません。しかし、まだ簿記論も財務諸表論も講師が見つかっておらず、いきなり来た法人税法の講師を目の前に「やりましょう!」というのだから、綾部さんは相当肝の据わった人なのだと思います。
綾部さんと面接でお話したのが2015年の5月頃。そこから6~7月で中村先生を含め知り合いの講師に声をかけて、翌2016年受験向けに教材作りをスタートして、10月頃には収録を始めました。収録を始めた時期には、毎日夜通しでスライドを作り、朝からスタジオに入って収録し、帰宅してからまた翌日収録用のスライドを作る、という生活でした。まさに怒涛のスケジュールをこなしていましたね。
税理士だけでなく士業すべてに言えることだと思いますが、独立開業して自分の城を持てるというところが一番の魅力だろうと思います。働き方はいろいろあるので、全員が独立開業を目指す必要はないのですが、働き方の可能性としては無限大にあることも魅力のひとつですね。
また、学歴コンプレックスのある人にもおすすめです。なぜなら、税理士になって名刺を差し出して「どこの学校出身ですか」と訊かれることはまずないからです。私の元教え子の中には、商業高校卒や短大卒でも税理士として立派に活動している方はたくさんいます。そういうメリットもあるので、学歴コンプレックスのある方にはぜひがんばって合格してもらいたいと思いますね。
今税理士として活躍している卒業生を見ていると、みんな最初は小さな会社しかお客さんになってもらえない上に、経営の知識が追いつかないまま経営者のお話を聞かなければならず、大変だなと思います。しかし、その会社を一生懸命応援していくうちに、その会社が育っていく。それとともに、教え子の事務所も育っていくんです。そういうのを目の当たりにすると、税理士は非常にやりがいのある仕事なんだなと感じますね。
コミュニケーション能力の高い人ですね。税理士でいう「コミュニケーション能力が高い」とは、いつもニコニコしていて、経営者をポジティブな気持ちで応援できることです。
経営者はいつも「自分の判断は正しかったのだろうか」「これをしておけばよかった、あれをしなければよかった」とあれこれ不安や心配を抱えているもの。そういうときに、ウソでもいいので「大丈夫ですよ!次はこうしましょう!」と明るい笑顔でいろいろ提案してくれる税理士がいると、きっと心強いでしょう。だから、そういう方が向いているかなと思います。あとは、数字を扱う世界なので、誠実でまじめに頑張れる人。基本的にはコツコツと数字を積み上げて最終的に1枚の書類に仕上げるというのが税理士の役割なので、まじめにコツコツと仕事ができる人が向いていると思いますね。
何年もかけてつらい試験を乗り越えてきたためか、みんな根性が据わっていてポジティブにがんばっている方が多いですね。中には、働きながら10年15年とあきらめずに勉強を続けて税理士になった方もいますよ。そういう方は会計事務所などに勤めながら勉強をしているケースが多いので、税理士の資格を取る頃には実務経験も知識もたくさん身についていて、最強の即戦力としてすぐに税理士の仕事ができるんです。そういう方は、きっとたくさんの経営者から頼りにされる存在になるでしょうね。
20歳から勉強を始めて15年経っても、まだ35歳です。一生働けると考えれば全然ソンではありません。なので、たった2年や3年で勉強をあきらめてしまうのは本当にもったいない。「税理士になる」という目標を立てたなら、ぜひ達成に向けて頑張ってほしいなと思います。
藤田 健吾(ふじた けんご) プロフィール
1972年東京都生まれ。専修大学商学部会計学科卒業。1998年から大手資格学校にて税理士講座法人税法の受験指導を行う。教材制作、講義、受講相談、質問回答など税理士試験の受験指導に関わるあらゆる業務を担当。看板講師として多数の合格者を輩出する。 その後も継続して、新たな学習システムを探し求め、教育、出版会社にて、講師、講座・教材の企画・制作を担当する。 さらに、2014年J.コネクション株式会社を設立し、受験指導の傍ら、士業を支援する事業を展開している。 2015年、「スタディング」を開講していた「KIYOラーニング株式会社」と出会い、同社の「スタディング」のノウハウに自らの受験指導経験を融合させた「スタディング 税理士講座」を開発。同講座主任講師 兼 法人税法の講義・教材制作を担当。2015年12月末の開講以来、驚異的なスピードで受講者を増やす(だろう)。「スタディング 税理士講座」で、合格者を多数輩出するために講座の開発に没頭する日々を送っている。 J.コネクション株式会社 代表取締役 |