宅建士のQ&A
権利関係3 意思表示・無効・取消し(1) 問題 5 1-3…
スタディング受講者
質問日:2023年11月19日
権利関係3 意思表示・無効・取消し(1)
問題 5 1-3-5
AがBと通じて仮装譲渡したのに、なぜCに対抗できるのでしょうか?
AとBが共に行為した為、同一(イコール)と見なされて、Cは第二者ということになるので(第三者でないから)、仮装譲渡したABに対抗できなくなるという理由からなのでしょうか。
そういう理由ではない、ということでしたら、正しい考え方をご教授お願いします。
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回答
こんにちは、虚偽表示のご質問ですね。
一緒に確認してまいりましょう。
WEBテキストの「1・意思表示」内「(3) 虚偽表示の効果」に基づいて解説していきます。
虚偽表示における第三者について、次の記載があります。
>ここにいう「第三者」とは、虚偽表示の当事者またはその一般承継人以外の者であって、その表示の目的につき法律上利害関係を有するに至った者をいいます(判例)。
こちらを基に、ご質問のあった問題への解答を検証してみましょう。
>AがBと通じてBに土地を仮装譲渡し、Bがその土地上に建物を建てて、その建物をCに賃貸した場合、Cが善意であるときは、Aは、Cに対し虚偽表示による無効を対抗することができない。
→×(本問は誤った内容である。つまりAはCへ無効を対抗できるということ)
この場合、まずAB間において土地の仮装譲渡が行われています。
仮装譲渡によって土地を賃借しているBが、その土地上に建物を建てて、その建物をCに貸借しています。
この時点で、A所有の土地におけるAB間の仮装譲渡と、B所有建物をCに貸借するという行為は全く別の内容(契約)であるということになります。
したがって、AB間の土地仮装譲渡において、単にBの建物を借りているだけのCは「その表示の目的につき利害関係を有するに至ったもの」には該当しないということになります。
このことから、土地の所有者であるAは、その土地上の建物を借りているCに対し「AB間の土地譲渡は仮装につき無効」と主張することができるということになります。CはA所有の土地に存在するB所有の建物を単に借りているだけなので、建物からの退去を求められることもありえるということになります。
本問でのポイントは、虚偽表示において意思表示の無効を対抗できない第三者にあたるかどうかという点です。
WEBテキスト該当ページ「学習のまとめ」に以下の記載がありますが、まさにこちらが本問を解答するために必要な知識です。
>虚偽表示による意思表示の無効を対抗できない第三者とは、虚偽表示の当事者またはその一般承継人以外の者であって、その表示の目的につき法律上利害関係を有するに至った者をいいます。
意思表示に関しては、権利関係でも重要なテーマであるといえます。今回ご質問いただいた虚偽表示も含め、意思表示全体についてもこの調子で学習を進めることをお勧めいたします。