宅建士のQ&A

事務管理の質問です。Aの隣人Bが出張に行っている時に台風がき…

スタディング受講者
質問日:2023年9月12日
事務管理の質問です。Aの隣人Bが出張に行っている時に台風がきた!AはBの窓に板を建付けた場合①事務管理は報酬をもらえない という答えと②かかった費用の範囲内で報酬を受け取れる と答えが2つあり。。。
①の問題を丸○か☓で答える場合②の答えが頭をよぎり☓にして1点落としてしまいます。そうかと思えば4つの中から1つ間違いを選択する問題の時は①も②も正しい!という正解です。
この問題をどうしたら良いか教えてください。よろしくお願いいたします。
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回答

大野翠 講師
公式
回答日:2023年9月12日
事務管理に関するご質問ですね、一緒に確認してまいりましょう。

まず「事務管理」とは、義務なく他人の事務の管理を始めることです。
つまり、頼まれておらず、契約関係にない場合であっても、なりゆきで事務管理せざるを得ない場合を指します。

ご質問にもあるとおり、たとえば「Aの隣人Bが出張に行っている時に台風がきた!AはBの窓に板を建付けた」という行為が、まさに事務管理にあたります。

この場合、AはBに頼まれたわけでもなく、Bから留守中の台風について何か指示をうけているわけでもありません。
しかし、B宅の窓ガラスが割れてA宅に被害が及ぶことが明らかであれば、Bが出張中で連絡がつかない場合であっても、AはB宅の窓に板を建てつけるという「事務管理」をすることができます。

そして、AはBに対して窓に建てつけた板の購入代金や、釘やガムテープなど実際に使用した費用(有益費)を請求することができます。
この部分が参照動画内における「管理者(A)が本人(B)のために有益な費用を支出した場合には、本人に対しその償還を請求することができる」に該当します。

請求できる費用の限度額は、管理者が本人のために行った支出の全額です。ただし、本人の意に反して事務管理を行った場合は、本人が現に利益を受けている限度内までに限定されます。

一方、事務管理において報酬に関しては一切請求できません。

ご質問の内容から、事務管理内に登場する金銭である「費用」と「報酬」について混在しているのではないかと推察いたします。

「費用」は、前述のとおり「建てつけた板の購入代金や釘、ガムテープ代金」など事務管理に必要となった経費のイメージです。

「報酬」は、事務管理を行ったことによる見返りの金銭のイメージです。たとえば「台風が来て窓に板を建てつけておいたから、費用とは別に5,000円ください」などということです。

ご質問内の例題に関する回答としては、次の通りです。
①事務管理は報酬をもらえない→正しい(事務管理は「費用」の償還請求はできても「報酬」はもらえない)
②かかった費用の範囲内で報酬を受け取れる
→こちらに関しては「かかった費用の範囲内で【費用】を受け取れる」という文章が正当ではないかと思います。
なぜなら、前述のとおり費用と報酬は全く別の意味合いの金銭であるからです。
「かかった費用の範囲内で費用を受け取れる」という問題文であれば、正しい内容となります。

なお、事務管理については過去にあまり出題されておらず、過去問の数自体が少ないです。そのため、事務管理の今後の学習としては全体のポイントを抑えて理解することで十分です。これまで同様、動画講義および各種問題演習の繰り返しを継続していきましょう。