刑法-正当防衛
平成29年 午前の部第25問

司法書士試験ピックアップ過去問解説

問題

正当防衛に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5までのうち,どれか。

ア 正当防衛は,財産権への不正の侵害に対して,その財産権を防衛するため,相手の身体の安全を侵害した場合であっても,成立する。

イ 正当防衛は,侵害が確実に予期されている場合には,侵害の急迫性が失われるから,成立しない。

ウ 正当防衛は,反撃行為が侵害行為に対する防衛手段として相当性を有する場合には,反撃行為によって生じた結果が侵害されようとした法益よりも大きいときであっても,成立する。

エ 正当防衛は,法益に対する侵害を避けるため,他に採るべき方法がない場合に限り,成立する。

オ 正当防衛は,互いに暴行し合う喧嘩闘争の場合には,成立しない。


1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ

解答・解説

解答:1

ア 
主として財産的権利を防衛するために相手の身体の安全を侵害した場合であっても,侵害の程度や防衛者の状況などに鑑みて,侵害に対する防衛手段としての相当性の範囲を超えていない場合には,正当防衛が成立するとされています(判例)。

ポイント 正当防衛においては,厳密な法益の権衡は要求されていません


イ ×
単に侵害が確実に予期されているというだけでは,侵害の急迫性が失われるものではないとされています(判例)。

ポイント ただし,積極的な加害意思が加わると,正当防衛は成立しません


ウ 

正当防衛は,反撃行為が侵害行為に対する防衛手段として相当性を有する場合には,反撃行為によって生じた結果が侵害されようとした法益よりも大きいときであっても成立するとされています(判例)。

ポイント 厳密な法益の権衡は要求されていませんが,防衛手段としての相当性は必要です


エ ×
正当防衛の成立については,他に採るべき方法があったかどうか問わないとされています(判例)。

ポイント 緊急避難の成立については,他に採るべき方法がなかったことが必要です


オ ×
互いに暴行し合う喧嘩闘争の場合であっても,正当防衛が成立する場合があるものとされています(判例)。

ポイント つねに喧嘩両成敗というわけではなく,具体的状況が考慮されます


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